あらわれたるもの―93・友達
文章の内容は変えず文章を読みやすく変更しました。
ここはとある学校の屋上。一人の女子がい
た。名前は形上由香中学二年生だ。今は昼
休みで給食を食べた後一人屋上にいた。
?「あこんなとこにいた由香チン」
由香「あ銀ちゃんどうしたの」
銀ちゃんがやってきた。日下部銀子。私の
数少ない仲がいい友達だ。
銀子「由香チン教室にいないからここかな
って思ったけどにやにやしてどうしたの」
由香「ああ実は今度お兄ちゃんに会う事に
なって」
銀子「えおお兄ちゃんに会うって本当」
銀ちゃんが驚いてる。
由香「あごめんお兄ちゃんってああっちの
方でああごめん」
銀子「あっちあごめんそっちのお兄ちゃん
かあー」
しまった。まずい事を言っちゃった。
銀ちゃんがしまったって顔してる。でも銀
ちゃんは悪くない。そう問題は私の家族の
事だ。私はお兄ちゃんともうずいぶん会っ
てない。そう何年もだ。私の家は代々特別
な人形をつくる家系なのだがお兄ちゃんは
頭は良いのだが人形に関しての才能がなか
った。だが無理をしてとうとう壊れてしま
った。そんなお兄ちゃんに対して両親はつ
っききりになった。リハビリが必要だった
からだ。人形から離れて私だけがおじいち
ゃんの弟子として残った。お兄ちゃんの事
は結局おじいちゃんのせいって事になった
が私は知ってる。おじいちゃんは無理しな
いように言ってたのをお兄ちゃんがいう事
を聞かなかったのだ。お兄ちゃんの気持ち
もわかるが妹に負ける事は兄には耐えられ
ない。だが両親は私の言う事を信じないで
おじいちゃんのせいにした。それもしかた
ないのかもしれない。自分の子供が壊れた
のはその子供のせいとは考えたくない。そ
れに私の父も才能と言う事では普通だった
らしい。父の時は結構おじいちゃんはスパ
ルタだったらしい。だがおじいちゃんもだ
んだんと丸くなったのだがそれは父には信
じられなかったみたいだ。おじいちゃんは
喋るのが苦手だからさらに誤解が起こりそ
う私の家は複雑なのだ。いや違う非情に複
雑なのだ。お兄ちゃんにとって人形はトラ
ウマだから私も会うのがまずいわけだ。私
と会うと思いだすからだ。今は落ち着いて
いるが私が会うのはまだ難しい。私は人形
作りの仕事が好きなので苦にならないが親
とも会えないのはやはり寂しい。まあ母親
だけは内緒で時々様子を見に来るのだが母
親に謝られても何て言ったらいいのか大丈
夫と言うしかない。しかも父の仕事はおじ
いちゃんからの依頼だ。父は知らないがこ
れが現実だ。これがないと生活できない。
もちろんわからないようになっている。本
当にもう超超超超複雑なのだ。
銀子「それで会うってどういう事かな」
由香「仕事で金曜日の学校終わった後お兄
ちゃんの所に行く事になったんだ」
銀子「そっかいいな私もあの人あ赤崖さん
か会いたいな」
しまった仕事で行くって言わなかった。こ
れはまずい。でも仕事って言っても時間も
そんなにかからないしお兄ちゃんと二人っ
きりでも銀ちゃんならいいか銀ちゃんだっ
てお兄ちゃんに会いたいよね。問題はお金
だな。どうしたらいいかな。やはりここは
お兄ちゃんに相談するしかそうだ聞くだけ
聞いてみるべきだね。考えるのはその後だ
ね。




