第百二十七章 貧乏神2・知らぬが仏
文章の内容は変えず文章を読みやすく変更しました。
そしてこちらでは。
座敷娘が座敷ワラジを追い詰めていた。
絶対絶命のピンチ。
とは言わないがかなり追い詰められていた。
どうするにょー。
困ったにょー。
だが。
「ドクッ」
突然座敷娘を襲う強烈な感覚。
やられる。
いきなり。
振り向けばやられる。
そんな強烈な感覚が背後から。
何故。
そう思ったのはここにはこの場所には結界
がある。
自分達のような小物の妖怪なら関係ないが
大物など来れるわけが。
だがこれは超大物の感覚。
だが腑に落ちない事がそう警報装置が作動
しないのだ目の前にいる。
これはおかしい。
まっさきに動くはずだがしかも騒ぎまくっ
てやばい物をひきつける。
自分を逃がすおとりになるはずなのに。
こんな大事な時にどうして。
思ったのが故障。
まさか追い詰められて動かないのか。
故障私が追い詰めたせいで機能しない。
そうなのか。
やりすぎたのか。
まさかこんな事になるとはここまでなのか。
いやだもっともっともっともっともっと。
ううなぎが食べたいのに。
すさまじい長さに感じた恐怖。
だがそれは一瞬で消えた。
「ハッ」
そして聞こえたのは。
?「パパ」
パパこんな事を言うのはここにはあれしか
いない。
あれとは。
アンジュ「パパ」
そうアンジュだ。
アンジュがやってきた。
声が聞こえた。
おぼえているから。
どういう事。
周りを見たが誰もいない。
その声は誰にも聞こえてないみたいだ。
特に誰も気にしていない。
まさかアンジュの心の声。
おぼえているから。
まさか私があそこから連れて来たのを知っ
てる。
あの場所から。
いやいやその時は卵だったはず。
だが一番近くの私に寄生せず。
あれに行ったのはわからない。
ずっと私が身につけていたのに。
どうしてそうなったのか。
何か理由があるのか。
だが私に寄生していればわからなかったか
も。
まさか私の事をママと呼んだりはそんな事
されればややこしくなる。
だがあれはそんな感じではなかった。
あの声は。
だがこれは記録しないと。
アンジュに関してはレポートを書いてる。
今だによくわからない存在。
謎の存在。
アンジュ「ここの主が呼んでるよ」
座敷ワラジ「主どっちの方だにょー」
アンジュ「んとね。若い方」
座敷ワラジ「あっちかにょー。消臭係かに
ょー。気が進まないにょー」
アンジュ「パパあれあれが欲しいの」
座敷ワラジ「あああれかにょー」
アンジュは酒ビールをネダリにきた。
なんだいつもの光景だ。
特におかしい事は。
座敷ワラジ「ああとであげるにょー」
何今あげないの。
珍しい。
アンジュ「はーい」
アンジュちゃんと言う事を聞いている。
そうこいつの言う事は聞くのだ。
なんでもかわからないが。
すさまじい力を持ってるが。
私の言う事はわからない。
ただ距離は置いてる。
何が起こるかわからないからだ。
アンジュの事は。
是式娘「んん」
まあいいか。
それより何か忘れてるような。
まずい。
忘れてた。
営業をしないと。
今日はまだだった。
営業とはさわってもらうのだ。
だが猫とかではない。
さわってもらって喜ぶわけじゃ。
さわってもらって金をもらうのだ。
私は誰もいない場所にいった。
そして腕を回転させた。
座敷娘「変・身・シーライオン」
「ボワーン」
変身完了座敷アザラシになった。
何故英語かかっこいいからだ。
だが彼女は知らない。
知らないのだ。
シーライオンが実はアシカである事を。
アザラシはシィール。
知れば教えたやつをかみ殺すかもしれない。
まさに知らぬが仏。
だが誰もいない所でしか変身しないので突
っ込まれる事はなかった。
合掌。
まあ平和ではあった。
座敷アザラシ「おやおや遅くなりましたね
。注意しないと営業の時間もあるので」
そうやって歩きだしてると。
座敷アザラシ「おやおやあれに見えるは常
連の坊主エーさん。これは運がいい。いか
ないと」
そう言って座敷アザラシは坊主エーさんに
向かって急いでいくのでした。
今日もいっぱいなでてもらう為に。
そしてお金を貯めてうなぎを食べる為に。
結局座敷ワラジに何も聞く事ができなかっ
た座敷娘。
いったい貧乏神と何があったのか。
それは後の話で。
残念ながら今回はここまででございます。
次回はいよいよヤミカーラのあんな事やこ
んな事の話です。
それでは次回をお楽しみに。
さようなら。




