都市伝説5―16・多田の選択と多田の気になる事
文章のフォーマットを統一しました。
多田「そそうですか」
とりあえず言葉は出たがこれはあちら方面
の方がなんらかの関係でなんとかしてくれた
のだろうか考えたが自分にわかるわけがない
これはこちらの想像を遥かに超えているのだ。
多田「でではお礼を」
どんなお礼ができるかわからないが口に出
た。まあこれは社会人としての常識だろう。
今月は金欠だがそんなことは関係ない。まさ
かとんでもないものを要求されることはない
とわかっていたが緊張はする。
お坊様「いえあの方がたはそういうスキン
シップは好みません。あなたがここで気分
よく酒を飲むことこそあの方がたが望むこ
とです」
そそれでいいのか、体から少しだけ力が抜
けた。今月もあまり金がないのでほっとする
セコイ自分を見てしまった。セコイセコイぞ
おまえおまえ言わなくていいから。ほんとセ
コイぞおまえううるさいよ。自分の中の自分
に言ってみる。本当にうるさいやつだ。
多田「あありがとうございます」
立ち上がって頭を下げながらそれしか言う
ことはなかった。お坊様にお礼を言って店を
出ることにこれ以上は言えることはなかった
し長引かせて良い話でもない。相手の気分を
悪くさせてはもともこもない。この場合の相
手とはあちらさんのことだが当然仲介してく
れたお坊様にも感謝している。どうやらこん
な形で問題は解決したみたいだ。だが小躍り
するような気分でもなかった。まだ引っかか
ってることがあったからだ。だからおまわり
さんあそこで変な人が踊ってますと通報され
ることはなかった。
家に帰って来た多田。
今日は色々なことがあった。とりあえず風
呂に入って風呂上りに今はコーヒーを飲んで
いる。考えていた。
ありえない形で問題が解決した。そう本当
にありえない形だ。だがまだ気になっていた
ことがあった。本当はゆかりさんゆかりさん
のこともお願いしたかったんだが、だが流石
にそれはむしがよすぎる。自分が助かっただ
けでもありがたいと思わねばこれは小説では
ないのだ。何もかも上手くいくわけではない
現実とはそんなものだ。この様なことはいつ
までも覚えていていいものではない。忘れる
のが一番だ。そう思い寝ることにした。
その夜多田は夢を見る。




