クロスカウンター―2・三上の決断
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「トコトコ」
サチコは定位置についたようだ。準備はで
きたな。理解ができてないのはワラジだけだ
天井を見ながらボーっとしている。さあいっ
たいどうなるのか?
サチコ「よしやるよピンチ」
「シュッ」
いきなり槍のようなワラジのパンチが飛ん
でくる。
「サツ」
それを華麗な動きで。
「ガシ」
かわせない。かかわせないのか?
座敷ワラジ「おー痛いにょー」
これはこれは考えてもみなかった。ワラジ
のパンチを避けようとしたサチコだが避けき
れずにもろに殴られた。速い速いぞ。サチコ
の腕は空振りだ。だがサチコを殴ったワラジ
が悶絶している。そうサチコは硬いのだ。こ
れは考えていなかったストーリだ。思ったよ
りもワラジのパンチが速いのだ。想定外だ。
やはりただものではないなやつはこれを余裕
でかわすのかしかしこれは対応しにくい。そ
れはしかたない。普通に出しているわけとは
違うのだ。これは反射で出しているのだ。出
す時の気配などまったくないのだ。本人もま
るで意識していない。本人は違うことを考え
ていて突然スイッチが入るのだ。しかし今回
は相手が悪かった。
サチコ「あれ失敗しちゃったよ。じゃあも
う一度ね。ピンチ」
「シュッ」「サツ」「ガシ」
座敷ワラジ「おーおー痛いにょー。痛いに
ょー」
なんとすさまじい光景だ。こっちまで痛み
が伝わってきそうだ。
サチコ「あれあれまた失敗しちゃったよ。
じゃあもう一度ね。ピンチ」
「シュッ」「サツ」「ガシ」
座敷ワラジ「おーおーおー痛いにょー。痛
いにょー。痛いにょー」
恐ろしい。恐ろしい世界になっている。こ
れはこれは。
三上「んん」
放置だな。こうなるとサチコはとまらない
聞こえてるようで聞こえていない。これをも
し止めに入ったら最悪二人に攻撃を受けると
言う世にも恐ろしいお約束になってしまう。
それはそれはさけたい。
三上「ということで後を頼むぞサチコ」
やはりやはりだ。聞こえていないなこれは。
サチコ「さあ次こそはうまくやるよ。いく
よ」
何事も無かった様に立ち去る三上。やはり
自分がかわいいようだ。一時間後。
どどうなってるんだろうか? 見たいよう
な。見たくないような。
三上「ここれは」
部屋に入って来て驚く三上。
サチコ「もうおわりなのつまんないつまん
ない。ピンチピンチピンチ」
サチコは元気そうだ。ピンチの意味がわか
らなくなってるなここはピンチじゃないもの
がピンチと叫んでる。
三上「んん」
何か何かころがってるな。なんだ。なんだ
これは。
三上「うわーこれは」
更に驚く三上。
ワラジの髪が真っ白になっている。手を押
さえて震えている。
三上「ん」
紙が落ちているな。これはもしかしてダイ
イングメッセージか? あ生きているな。そ
うだな間違いないな。何何だと萌え萌えつき
たにょーだと。意味がわからん。これが妖怪
と人間の差かまあとりあえず言ってみるか。
三上「おおまえの気持ちはよくわかるぞ」
何の気持ちも入って無いのに声をかける三
上。
まったくわからないがこっちの言ってるこ
とは今は聞こえないだろう。しかしどうすれ
ばいいのかそうだ。
「パンパン」
三上「あこれあこれ。あ誰かおらんか?
あ誰かおらんか?」
「シーン」
爆笑「呼びましたか?」




