エンジェル―69・空手
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とのが距離を開けた。目をつぶった。まさ
かこれは。
声が聞こえた。
どうしたの。
空手の正拳突きだすのか。
声が聞こえた。
えーどうしてそう思ったの。
なんか今持ってる本が空手の試割に似てる
し。
声が聞こえた。
まさかそんな事したらもうとのじゃなくな
るわよ。
えーとのがとのじゃないなら何になるんで
すか。
声が聞こえた。
それはもうただのバカとのよ。
バカとのとのが正拳突きを出すとバカとの
になるのか。
声が聞こえた。
あのもしもし。
大丈夫ですよ冗談ですからまあとのはそん
な事しないと信じてますけどとのは目を開
けた。何か考えていたのか。
との「お願いがあります」
エリアン「え」
とのが指を立てた。黙ってってやつだ。
との「失礼とわかってますが触れさせても
らえないでしょうかお願いします。決して
中身を読もうとは思ってません。お願いし
ます」
頭を下げた。
声が聞こえた。
この人やるわね。すごいわ。
何がですか。
声が聞こえた。
ああそれはやっぱりとのに聞いたら。
との「許可してもらえたわ。今から触るか
ら」
エリアン「どういう事ですか」
との「こういう存在は上辺で言葉を作って
もダメなの問題は心よ。それが通じれば願
いをきいてもらえる事もあるの」
エリアン「経験者なんですか」
との「まあ色々ね」
とのは本に触れた。
との「これって」
とのはすぐに手を引っ込めた。
との「ありがとうございました」
とのは本に礼を言った。頭も下げた。思っ
たのは誰もいなくてよかった。他の人が見
たら異様な光景だ。いや目玉が見えた時点
でアウトだ。そういえば店員さんがビビン
バを持ってくる前でよかった。何かひっか
かったがなんだよくわからない。
エリアン「結局どうだったんですか僕には
ただの本と同じなんですが」
との「そうね例えるならぬいぐるみふかふ
かのこれが暖かかったら生き物かしら」
エリアン「えそんなまさか」
との「ありがとう。もうしまってもいいわ
よ。食べましょう」
僕は本をしまってビビンバを食べた。ビビ
ンバはまだ暖かった。ウーロン茶を飲む。
とのが時計を見た。
との「いい時間ね」
やはり時間つぶしだったのか。
声が聞こえた。
それじゃあもうすぐお開きね。
との「じゃあ出ましょうか」
エリアン「あ今日はごちそうさまでした」
との「じゃあ会計をすましてくるから外で
待っていてね」
外で待つ僕。
声が聞こえた。
いよいよラストね。
後は帰るだけか。
声が聞こえた。
もうサポートもいらないわね。
あそうだったんですかありがとうございま
した。
声が聞こえた。
まあまだ終わってないけど後少しね。
そうですね。とのが戻って来た。
との「エリアンお待たせじゃあ行きましょ
うか」
エリアン「え」