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1話 序章 222回目の魔王討伐

思いついたので書き出しだけ上げておきます。更新はGRB優先なのでかなり間隔があくかと。

「どうしてこうなった……」

俺は重厚な金属製の籠手に包まれた右腕を頭上に掲げて眺めながら漏らした。


どうしてこうなったかはわからないが今どうなっているのかというのは俺の認識が間違っていなければ説明はできる。


俺はゲームをしていた。

ゲームと言っても今流行りの全感覚投射フルダイブ型のVRゲームなどではない、昔ながらのキーボードとマススかゲームパッドで画面を見ながらプレイするゲームだ。

有名なタイトルではない、何時だったか忘れたが同人即売会で購入したものだったと思う。

そのDRAGONSLAYER(ドラゴンスレイヤー)というありきたりな名前のゲームを始めたのは2年ほど前だったか、その頃やっていたVRのオンラインゲームに飽きて暇つぶしにやり始めたのがきっかけだった。

オープンワールドの一人称視点のアクションRPGで同人ゲームにしてはハイクオリティ過ぎるゲームに俺は気付けばのめり込んでいた。

2年間ほかのゲームを全くプレイしなかったくらいに。


同人ゲームなので完璧という訳ではなかったがシステム周りやグラフィックには文句のつけようがなかった。

2年間で周回プレイを続け俺はラスボスの魔王を200回は倒していたと思う。

気付けばキャラクターの成長要素も上限のないレベルだけとなりユニーク武器やレアアイテムは周回プレイでもうそれコモン武器だろってくらいの数を集めていた。


問題が起こったのはそんなこんなで次ラスボス倒したたらいい加減このゲームもやめよう、なんて考えていた時のことだ。

何時もはテキストだけで決して喋ることのなかった(というかこのゲームにはそもそもキャラクターボイスが無い)魔王が喋りだしたのだ。

これは周回プレイの隠し要素か何かか?と俺は一瞬歓喜した。


だがそれはほんとうに一瞬だけの事だった。

何故なら魔王のセリフが余りにもひどかったからだ。


「あのさぁ、君何なの?俺になんか恨みあるの?これ何回目よ、もう200回超えてるよね?そりゃさぁ、俺魔王だし?君も勇者じゃん?まぁ1回2回倒されるのはわかるよ?それが200回って何?君暇人なの?もう2年くらい生き返るたびに直ぐに殺しに来るじゃん?しかもさ最近なんかもう作業だよね、こなれてきたよね?しかもワンパンだもんね、ったくどっちが魔王だってんだよ、もうお前が魔王やれよ、俺もうゴフッ」


なんか途中で鬱陶しくなってきたので問答無用で斬ってみた。

通常攻撃1回で死んでいく魔王。

するといつも通りにゲームクリアのファンファーレが鳴り響き画面がホワイトアウトする。

そしていつも通りのスタッフロールが……と考えたところで俺の意識が途絶えて現状に至る。


翳した右手を包む籠手はゲームで何度も目にした籠手、そして周りの風景は意識が途絶える直前までゲームで目にしていた光景……魔王城の玉座の間だ。

要するになぜこうなったのかはわからないがゲームの世界に来たということだろう。

真っ先にこみあげてきた感情は混乱や焦燥ではなくゲームの世界に来たことに関する好奇心だった。

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