プロローグ
最近、とても当たると噂になっている占いの館があるらしい。
クラスメイトの女子たちは、こぞってその占いの館を探しているらしいがなかなか見つからないそうだ。
もしかしたら、営業しているのは曜日不定なのかもしれない。
もしかしたら、時間も決まっていないのかもしれない。
だが、噂を広げたであろう中心になった、ある女子生徒はこう言っていた。
「その占いの館は、気付けば現れるの。」
ちなみにその女子生徒が告げられた占いの結果は、本当に具体的で、しかも外れたら返金するという確約までしたそうだ。女子生徒は、あまりにも自信満々なその口ぶりをある意味ネタのように友人たちに話していた。
『1週間後の同曜日、あなたは同じクラスの--という男子生徒から告白されるよ。』
その女子生徒とその友人はあまり信じていなかった。
が、告げられた曜日、放課後。
占い通りに、女子生徒は呼び出され-----告白された。
こうして、その女子生徒とその友人たちから爆発的に噂は広まった。
だが、それから、占いの館に【出会った】者は…数人しかいないようだ。
別に誰なのかという点での興味はない。だが、その占い結果には興味があった。
どんな占い結果を告げられたのか、そして、それは本当に的中したのか。
それに、どうしてこんなに大人数が探しているのに、【出会った】というより【出会えた】のは数人なのか。なにかその人物に共通点でもあるのだろうか。
謎と興味は膨らむ一方だった。