起点
初めての作品ですがそれなりに頑張って作って見ました
興味を持って見て頂けたら光栄です
(お義母様が死んだ、あの優しかったシャル母様が…私は何をしていたのだろう…何故あんな事を言ったのだろう…)
イザベラは自分を責めた。
(こうなったのも私があんな…)
「まだ、謝罪をしてないよ…お義母様…あの時は…」
悲しげな声が漏れる、しかしシャルの死によって騒々しくなった舘にその声はもみ消される。
「私は…私はっ…」
ポロポロと涙が溢れる。
「なにを泣いている」
当主が言った。
「お前のせいであろう」
「!」
「お前があそこにいればこんなことにはならなかったはずだ、違うか?」
「…」
イザベラは言い返すことができず、そのまま下を向いて部屋に戻った。
「私は…ダメな子だ…」
イザベラは部屋でしばらく独り泣いていた。
コンコンとドアがなる。
「お姉ちゃん…いる?」
「…なによ」
「入っても…いい?」
「そこで話して、私はあなたの事が嫌いなの」
「ごめんね…」
「あなたのせいじゃない、全てはあいつのせいよ」
「ごめんなさい…」
「だから謝らないでよ!…要件は何?」
「お姉ちゃんがさみしそうにしてたら嫌だったから…」
「余計なお世話よ」
「うん、そうだよね…寂しいのは私の方…」
微かな声が漏れる。イザベラには聞こえない程微かに。
「用が済んだならとっとと行きなさい」
「あのね…食事会を開こうと…思って、私の料理でお父様とお姉ちゃんが仲直りできるように…だから…来てね」
「なんで私が…」
言いかけやめた。
「…来週の火曜日ならいいわよ」
「本当に!?私頑張って作るね」
「えぇ…楽しみにしてるわ」
「絶対に来てね約束だよ!」
パタパタと楽しそうな足音がとおのいていく、母親の命日なんて忘れてしまったかのような希望に満ちた足音が。
「あなたはお人好しね…」
イザベラは独り、部屋の中赤く燃え盛る炎を眺めていた。
「食事会…楽しみで仕方ないわ」
フッとイザベラに吹き消された炎は煙をたてて部屋を闇へと変えた。