第1章 第3話 俺が勇者……………って何すればいいんだ?
「………【勇者】かぁ………」
まあ、そんな事だろうと予想はしていた。実際俺も、中学の頃はラノベとかめちゃくちゃ読んでたし。こんな展開は王道だ。
「そうだ。勇者だ。お主を無理矢理呼び出した事は本当にすまないと思っている。だが、この世界には、お主が必要なのだ‼︎」
そんな事はわかってる。けど何から世界を救えばいいんだ?
やっぱ魔王とかかな………
「具体的に何から世界を救えばいいんですか?」
「この国に反旗を翻し世界を滅ぼさんとする者達からだ…」
なるほど反逆者系か……でも反逆者程度で世界を滅ぼせるのか?
「僕にできる限りの事はします。でもその前に今日一日はゆっくり休ませてください。まだ、少し頭が混乱しているので……」
「よかろう。部屋を用意する。リーラ部屋へ案内を。」
「はっ」
ん?まてよ…今なんつった?リーラ?あれれ〜?俺の聞いた限りではそこの黒ずくめが返事したような……
「さあ、行きましょう」
黒ずくめはフードをとり、降真の手をとった。
「…………うぉぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼︎」
盛大に吐いた瞬間だった…
「はぁ……………………」
俺は今、自室にいる。あの後、盛大に黒ずくめ……もといリーラ・クロフェチアさんに汚物をぶっかけてしまい。盛大にビンタをされてしまった……事情をリーラさんと王様に話したのだが、リーラさんには完全に嫌われてしまった。その後、別の執事のような人にここに案内され現在に至る。
「やはり、俺に春は来ないのか……いや、だが‼︎俺には勇者という肩書きがある‼︎大体ラノベとかは勇者はモテモテなんだ‼︎ハーレムなんだ‼︎」
俺がそんな事を言ってベッドに倒れこんだ。
その体は全く動かない。あんな事を言ったり、王の前では冷静な態度を取っていたが、内心では不安と恐怖でいっぱいだった…
「俺、これからどうすりゃいいんだよ…」
その頃、謁見の間では2人の人物が話し合っていた。
「まさか、勇者にあんな体質があったとはな…」
「全くです。勇者様があんな体質だとは。ひどい目に合いました。最悪です。全く…」
銀髪のショートカットのまるで人形のような美しく整った顔立ちの少女は怒りを露わにしてそう言った。
「まあ、お主もいい加減に許さぬか…勇者も散々謝っていたではないか…」
「それでも、私は辱めを受けました。いくら顔立ちが良くても許される事ではありません。」
「そんな態度をとって、勇者の機嫌を損ねたらどうする?……我が娘よ」
「………それもそうですね。あの方にはなんとしても世界を救っていただかなくてはいけません……
【ウロヴォロス】から」




