第1章 第2話 呼ばれた理由……ってなんとなくわかっちゃった
「はぁ……」
「21回目もバツっと…連敗記録また更新だな……」
……………やってしまった。性懲りも無くまたやってしまった…
吐いてしまったのだ。やはり今回の合コンも俺を狙ってグイグイくる奴がたくさんいた…
そいつは俺の半径1m以内に見事に入ってしまい、俺はまあ…言わなくてもわかるだろう
そんなこんなで見事避けられてしまい合コンはパー。はぁ…俺に春は来ないのか……
そんな事を思いながら、俺は練太郎と帰宅中だった。
「お前はその体質をどうにかしない限り無理だと、思うがな。」
「そんなこたぁねーよ、きっとこんな俺を受け入れてくれる奴がいるはずだ……多分」
そんな、21回目の同じような会話をしている中、それは突然に起こった。
自分の周りに光の魔法陣のようなものが出来て光っている。
「っっ‼︎ 降真何やってんだ‼︎とっとと離れろぉぉぉ………」
そんな遠くなる親友の声を聞きながら俺は光に包まれていった……
そして、今に至る。
…うんそうだ、そうだった。
どうにか平静を取り戻した俺は意を決して謎の黒ずくめ達に聞くことにした。
「あの〜ここどこですかね?」
「っっ‼︎どうやら召喚は成功したようだな‼︎」
オォーと黒ずくめ達がどよめきだす。
いや、質問答えてよ…………
「さあ、私について来てください。」
黒ずくめの中の1人が俺の手を引っ張った。
「あの……何がなんだか………」
「大丈夫ですよ。着いたら説明しますので、」
だから一体何処に行くんだよ………
俺はそんな不満を思いながらも他に選択肢がないので、黒ずくめの後をついて行く事にした。
そして歩くこと5分、今、俺が歩いている場所はとてもじゃないが日本の物とは思えない。中世ヨーロッパのような豪華な作りをしている。まるで、よくゲームなんかに出てくる王城のようだ。
………あー………なんか察してきたぞ…
これはもしかしたら俺にも春が……
「ここですよ。」
……やっと着いたのか……って
「扉デカッ………」
「当たり前です。国王謁見の間ですから。」
そういって黒ずくめは扉を開けた。
「お主が、【勇者】か?」
俺がこの部屋に入った瞬間そう聞いてきたのは、見た限りでは相当年がたっているが、どこか覇気のあるオーラを持っている老人だった…
「国王様、この者にはまだ何も事情を話してはおりませぬ。」
「ん、そうか、そうだったな、いや年甲斐もなくはしゃいでしまった。すまぬな。ならばこのわしがお主に説明してやろう」
ここまでの出来事で、俺の身に何が起こったのさある程度は予想していた。おそらくそれは……
「お主には、この世界を救う【勇者】になってほしい…」
俺の予想が確信に変わった瞬間だった。




