友達の居ない私が恋愛をしてみた
こんにちわ。
小説家になろうでは初めての投稿になります。
私の小説で楽しんでいただければと思います。
この春、私こと桑内加奈子は高校受験に成功して志望校に入学した。
学校生活が始まり、一週間が経つ頃にはそれなりの人間関係が成り立ってくる。
でも私には友達ができなかった。
別にいじめられているとか言うようなことはない。
ただ、ぼっちだった。
四時間目が終わり昼食タイムになる。
先生が出ていくのと同時に皆が鞄からお弁当を取り出し、机をくっつけて、おしゃべりしながら昼食を楽しんでいる。
私もいつも通り机の横にかけてあるコンビニの袋からパンとコーヒー牛乳を取り出す。
片手に携帯を持ちながらパンを食べる。
中学生の時は友達と呼べる人は居た。
よくおしゃべりして一緒に昼食を食べて居た。みな地味子ちゃんばかりだったけれど・・・
その友達もバラバラの高校に行ってしまい、結果このぼっちの始末という訳だ。
とまぁ誰に話すわけでもないので私は考えるのを辞めた。
パンを食べながら携帯をいじっていたら後ろから話しかけられた。
「ねぇねぇ!」
無言のまま振り返ると一人の男子生徒が居た。
この生徒は確か、入学当初の自己紹介で笑いを取っていた・・・人。ちょっと名前は分かんない。
「なに?」
「アドレス教えてよ!」
はぁ。どうせ私にメールする用事なんてないくせに・・・
その男子生徒はニコニコしながら携帯の取り出している。
今までに何人もの人とアドレスを交換してきたが私にメールを送ってきた人は誰も居ない。
手早く赤外線でお互いのアドレスを交換。
画面に神田 真を電話帳に登録しました。と出る。
後で消しておこうと思いつつ、再び前を向いてパンをかじる。
「あ、待ってよ!」
「なに?」
「ご飯一緒に食べようよ!」
「はい?・・・まぁ、いいけど」
特に拒絶する理由もないけどなんで?
男子生徒もコンビニの袋を持ち、こちらにやってくる。
私の席の近くの空いている椅子を見つけて座り主の許可を得てから私の机のところに持ってきて座る。
「よいしょっと!あ、加奈子ってコンビニのパンなんだ」
なんでいきなり呼び捨てで私に話しかけてんだ?
「私はおにぎりよりパンの方が好きなので」
「あっはっは!そうじゃなくてお弁当じゃないんだねってこと。今日だけ?」
「私はいつもコンビニのパンだけど・・・両親は朝が早いから私が起きるころにはどっちもいないし」
「あ、そうなんだ!じゃーん!俺はコンビニおにぎりだよ!」
聞いてねぇよ。
「そうなんだ」
私は一つ目のパンを食べ終え、二つ目のパンに手をつける。
「そっけないなぁ・・・」
それからは神田君に質問責めにあっていた。
だから私はそれっぽく返しておいた。
こういう適当にしているから友達ができないのかもしれない。
キーン。コーン。カーン。コーン。
昼休み終了の鐘が鳴る。
「昼休み終わりだね。そんじゃあね加奈子!」
元気よく手を振って、自分の席に戻っていった。
五時間目は私の嫌いな英語。
いつも真面目に授業に取り組んでいないのだが、今回はさらに上の空だった。
神田君のことが少し気になっていた。
なんで私に話しかけてきたんだろう?
私ぼっちだから友達居ないのに。
そんでもってなんで一緒にご飯食べようと誘ってくれたんだろう?
神田君にはいっぱい友達居るのに。
うーん・・・分かんないなぁ・・・
ピリリリリリリリリリリリリリ!
急に携帯電話が鳴り響く。
私は思わずビクッとしたが、すぐに安心した。
鳴ったのは私の携帯ではなく、他の女子の携帯のようだ。
授業がストップし、一気に静まり返る。
その女子生徒は特に慌てる様子もなく携帯を操作して、音を止める。
「鈴木。ちゃんと電源は切っておかないとダメだ。一応没収するから放課後とりにこい」
「はい。すいませんでした」
おとなしく携帯を渡し授業が再開する。
それからは私も分からないなりに授業に集中する。
5時間目も終わり、6時間目の国語も問題なく終了してその日の授業はすべて終わった。
ただし、今日は掃除当番なので、掃除をしなくては帰れない。
帰りのホームルームが終わる。
と同時に生徒があふれるように出ていく。
私は掃除用具箱に行き箒を取り出して掃除を開始する。
掃除は15分くらいで終わり、私は自分の鞄を持って廊下に出る。
すでに廊下には人は少なく、部活動を行う生徒だけになっていた。
玄関で靴を履きかえると肩をつつかれる。
何故かはわからないが、一瞬神田君の顔が浮かんだ。
でも正体は知らない上級生だった。
「ねぇねぇ!お金貸してくれない?」
えー・・・
っていうか今時こんなカツアゲする人いるんだなぁ・・・
私の答えは決まっている。
「嫌ですよ」
そう答えると腕を引っ張られて、玄関の隅に追いやられる。
この位置だとこの上級生の影になって誰からも見えない。
「お前が嫌だとかは関係ねーんだよ。いいから早く金出せ」
「嫌です・・・」
「チッ!めんどくせーなぁ!」
鞄を無理やり取られる。
「こっから財布探せ」
「はいよっと」
もう一人が私の鞄を漁る。
すごくやめてほしい・・・
「あの何やってんですかー?」
誰か声をかけたみたいだった。
「あ?おめぇには関係ねぇだろ」
上級生が邪魔で声の主が確認できない。
「まぁまぁそう言わずにカツアゲなんてみっともないですよ?あ!こうしませんか?俺のことぼっこぼこにしていいんでその子のこと見逃すっていうのは・・・」
何を言ってるんだこの人は!
「ちょっと、ま・・・」
「あははははははは!しょうがねぇからそれでいいよ。じゃあお前はもう行け」
私は無理やり立たされて鞄を投げつけられる。
で、そこに立っていたのは・・・はい予想通り神田君でした。
みなさまも予想できてましたよね?
私は何言ってんだ?
その場から私は走って逃げだした。
玄関から出るころには後ろから鈍い音が鳴り響いた。
でも私は振り返らなかった。
振り返ることができなかった。
校門まで来ると腰が抜けたというか、その場にしゃがみこんでしまった。
門のところによしかかって膝を抱え込んで頭を膝の上にのっける。
なんだか涙が出てきた。
なんで神田君は私のこと助けてくれたんだろう・・・
お昼の時はあんなに適当にあしらっていたのに。
それに先輩のこと怖くなかったのかな?
きっと私のせいでいっぱい殴られたり、蹴られたりしたんだろうな・・・
そう考えると涙が止めどなくあふれてきた。
声を出さないように私は校門で泣いた。
「あれ?加奈子まだ帰ってなかったの?」
私は頭をあげた。
神田君がいた。顔を腫らしながら。
「あらら。泣いてんの?意外に泣き虫なんだね。あっはっは!」
神田君は笑っていた。痛そうな顔をしながら。
「神田君・・・ゴメンね・・・」
「そんなの全然気にしなくていいよ!あのあと生活指導の山田が通ってさ!あいつら連行されてったよ!ざまぁみろってカンジだよね!あっはっは!」
笑い事じゃないよ・・・
「加奈子その泣いた顔のまんま帰れる?うちに寄っていきなよ!すぐ近くだからさ!」
「え?いや・・・」
「いいからいいから」
神田君は私の手首を軽くつかんで歩き出した。
五分後近くのアパートについた。
歩いているとき私はずっと下を向いていた。
泣き顔を見られたくなくて。
「ここが俺んち。まぁ見ての通りボロアパート!あっはっは!」
アパートにつくと神田君は手首を離した。
何がおかしいのか分からないけど神田君はいっつもけらけらと笑っている。
なんだかこっちも幸せのおすそわけをしてもらってるみたいだ。
玄関のカギを開けて中に入る。
しっかりと掃除の行き届いた室内だった.
「ちょっとそこ座ってて」
そういうと神田君は隣の部屋に行った。
私は居間にあるテーブルの近くに腰をおろす。
でも不思議だな。今日初めて話した人の家に今日来ることになるなんて。
隣の部屋のふすまが開いた。
当然のごとく神田君がいた。
・・・白衣を着て
「やっ」
軽く手をあげてきたので私も手をあげる。
「今、真さんがロイヤルグレードカリスマホスピタルティーを入れてあげるよ!」
意味分かって言ってんのかなぁ・・・
ホスピタルって病院だけど・・・
「お、おかまいなく・・・」
それからすぐになんだかティーを出してくれる。
「はい。ワールドマッジティーお待ち!」
さっきと名前変わってるけど・・・
一口喉に流し込んでみる。
「おいしい・・・」
「ですよねー」
なにこの自信。
「っで加奈子はなんで泣いてたの?そんなにあの先輩方怖かった?」
違うよ。いや、上級生は怖かったけどさ・・・
「ううん違うよ」
「ん?じゃあなんで?」
私は一度深呼吸して神田君を見据える。
「神田君こそなんで助けてくれたの?なんであんな上級生相手にあんなのこと言えたの?」
「・・・」
「って考えてたら涙が止まらなくなった」
神田君は少し考えて口を開く。
「いいかい?加奈子。人を助けるのに理由がいるかい?」
「え?」
「とかなんとか言ってね!ねぇねぇ!今カッコ良かった?ねぇねぇ!どうだった?」
この人は本当にしまらない人だなぁ・・・
「今のがなければカッコよかったんじゃないかな?」
私は失笑気味に答える。
「そっか・・・じゃあ次は気を付けよう!」
神田君はそういう人なんだなと思った。
なんというか一緒にいるとこっちが幸せになれるようなそんな人に・・・
「まぁ冗談はさておきなんで助けたかというと・・・別に俺は誰でも助けたよ?」
「そうなんだ。神田君すごいね」
ちょっとがっかりしてしまっている私がいる。
「でも助け方は加奈子とは別だけどね」
「え?」
「加奈子以外の人だったら先生呼びに行ってた。自分が痛い目に合うのもいやだしね。でも加奈子は一刻も早く助けてあげたかった。それだけだよーん。俺中二病だからこういう恥ずかしいセリフを言える訳で」
「恥ずかしくなんかないよ?私はすっごく嬉しかったよ?」
「あっはっは!そいつはどうも」
私は神田君の近くにいって服の裾を掴む。
ほとんど無意識の行動だった。
「んー?加奈子どうしたの?もしかして俺のこと好きなの?」
神田君は冗談っぽく言う。でもね?
「うん」
「え!?」
私自身も意味が分かんないよ。急にこんなこと言うなんて・・・
「神田君。私って変かな?今日初めて話したりしたのに、一回助けてもらっただけで神田君のことが好きだなんてさ」
「んーん。そんなことないよ?」
「だって俺は加奈子に一目惚れだったもん」
「え?」
一目惚れ?私に?なんで?
「ずっと加奈子のこと見ててさ、今日だって心臓バックバクで話しかけたんだよ?」
「嘘・・・」
「ホント」
やばい。絶対今、私の顔真っ赤だ・・・
でも神田君から視線が外せない。
「ほらおいで?」
神田君が笑いながら立ち膝になって腕を広げている。
私は無言で神田君のところまで行って神田君の腕に包まれた。
「おーよしよし」
「なんで頭撫でてるの?」
「加奈子がかわいいから」
そういうこと唐突に言うなよな・・・
恥ずかしいだろうが・・・
「じゃあ加奈子俺達今日から彼氏と彼女だね」
「あはは・・・そうだね。なんだか恥ずかしいね」
「それは俺も一緒だ」
私を包む手が一層強くなるでもこの強さが今はとても心地よかった。
ホントにこんな気持ちになるとは思わなかった。
時間が止まってほしいだなんて・・・
どうだったでしょうか?
それぞれ言いたいことはあると思います。
ですがこれだけは言わせてください。
ありがとうございました!




