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黄昏に、そっと寄り添う

2月19日

今日は家族と一緒に田舎へ帰った。古い家はひっそりと静まり返り、家具には薄く埃が積もっている。


子どもの頃、祖父母がここで私を見守りながら育ててくれたことを思い出し、私は思わず兄さまのそばへ身を寄せ、小さく身震いした。


時間は、大切な人たちを静かに連れ去ってしまう。そう思った瞬間、私は兄さまの手を握る力を、ほんの少しだけ強めていた。


裏庭の塀は崩れかけていたけれど、朝顔がつるを伸ばし、静かに咲いている。ひび割れた地面には雑草と苔が広がっていた。「生命力って、強いよね。」と、兄さまが低く呟く。


裏庭を抜けると、家の裏の小さな川は、昔と変わらない姿のままだった。まるで、ずっと私たちを待っていてくれたみたい。


私と兄さまは川辺に腰を下ろし、足を水に浸けて、子どもの頃のようにそっと揺らした。


「昔、君を背負って川を渡ろうとして、一緒に落ちたことあったよね。あの時、君が熱を出して……ずっと自分を責めてたんだ。兄さまは少し照れたように笑った。


私は、もう姿のないあの小さな木の橋があった場所を見つめる。少しだけ兄さまの方へ近づき、頬がほんのり熱くなるのを感じながら、うつむいて軽く彼の腕を叩いた。小さな声で言った。


「そんなこと……もう思い出さなくていいよ。」


次の瞬間、兄さまが突然水を跳ね上げ、私は全身びしょ濡れになった。思わず笑い声がこぼれ、私も負けじと水をかけ返す。気がつけば、子どもの頃のように夢中でじゃれ合っていた。


夕焼けは、こぼれた絵の具のように空いっぱいに広がっている。私たちの服はすっかり濡れ、足には泥が少しついていた。


そろそろ帰って、夕食の時間。私は兄さまのそばへ歩み寄り、軽く跳ねるように背中に身を預けた。


「じゃあ……今回は、ちゃんと離さないでね。」


兄さまは笑いながら、私の脚をしっかり抱きしめた。私は彼の背中に頬を寄せ、両腕で首をそっと、でも少しだけ強く抱きしめる。


小さな声で、耳元に囁く。「兄さま……今夜は、風邪ひかないよ。」

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