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バレンタインに伝えたこと
2月14日
今日も、昔と変わらない夜だった。兄と一緒に夕飯を食べに行った。去年と同じあの店で、同じ料理を頼んで。馴染みのある味、馴染みのある人。
食事のあと、二人でゆっくり街を歩いた。行き交う人の流れの中で、時々、花を買わないかと声をかけられて、私たちは照れくさそうに笑いながら首を横に振るしかなかった。
やがて橋の上まで歩いていくと、遠くには灯りに包まれた街並みが広がり、足元では川が静かに流れていた。あの瞬間、本当にすべての喧騒から離れたような気がした。
今夜の月は少し欠けていて、満ちてはいなかったけれど、どこか優しくて。橋のそばのベンチに座りながら、気づけば私は兄の方へそっと寄り添って、頭を軽く肩に預け、小さな声で言った。
「兄さま、好き……今夜の月、きれいだね。もう少しだけ、このままいさせて。帰るのは、もう少しあとでいいかな、兄さま」




