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雨音の中で
2月5日
あの夜も、今夜と同じように、細かな雨が静かに降っていました。あれが、私が初めて兄の前に姿を見せた夜です。あの日から、私は少しずつ、この世界というものを知り始めました。
世の中にあるさまざまな感情が、朝から夜へと流れ込み、面白さも、何気なさも、そのまま日々を満たしていく。
校車の中で、窓の外を見つめていた兄の横顔を見たとき、ふと、思ってしまったのです。誰かの瞳に映る気持ちを読み取ることは、こんなにも難しいのだと。
それでも、誰かの喜びに触れたとき、自分の心まで、静かに温まることがあります。感情というものは、本当に、単純ではありませんね。




