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ほどけるまで

2月26日


昨夜、布団に入ってもなかなか落ち着かず、眠りはなかなか近づいてこなかった。頭の奥がぼんやりと重たくて、考えようとしても、なにもかもかたちにならない。


目覚ましが二度鳴って、ようやく体を起こした。ミミは枕元にいない。きっと兄さまの隣で丸くなっているのだろう。


階段を降りると、母はもう起きていて、庭で音楽を聴いていた。玄関の前で少し立ち止まる。


流れていたのは、やわらかなクラシック。朝の空気に静かに溶けていく。


テーブルの上のパンをひとかけら手に取り、ゆっくりと戸を開けた。


「行ってくるね。」


「どこへ行くの?気をつけてね。」母の声が、音楽に混ざってやさしく届く。


「近くの公園、ちょっとだけ。」路地を抜ける前、なんとなく振り返った。


母はきっと、まだこちらを見ている。


平日の公園は静かだった。年配の人が小さな子の手を引いて歩き、朝の空気は少し冷たい。


道端の草には細かな朝露が光っていて、風が吹くたび、ぽとりと土に落ちる。公園の外側のベンチに腰を下ろし、中の様子をぼんやり眺めた。


白髪のおばあさんが孫を見守り、少年たちがバスケットボールを打つ音が、乾いたリズムで響いている。体の力がぬけて、背もたれにまかせて沈みこむ。


深く息を吐いて目を閉じると、遠くからかすかに花火の音がした。


どれくらい座っていたのだろう。家々の昼ごはんの匂いが風に混じりはじめ、人影は少しずつ減っていった。


手をつないだカップルが前を通り過ぎる。女の子が耳元で何かささやき、男の子が笑う。

その声を聞いた瞬間、胸の奥がそっと揺れた。


帰り道、木から枯葉がひらりと落ちる。足元に落ちるたび、胸の奥が少しだけ沈む。


家に戻ると、父はエプロン姿で台所に立ち、母は庭で洗濯物を干していた。


物干し紐に揺れる白いワンピースが目に入る。思わず視線を逸らした。頬がじわっと熱くなる。


食事のあと、また気づけば公園へ向かっていた。


亭の手すりに腰をかけ、冷たい木の感触に頬を寄せる。草と土の匂いを、ゆっくり吸い込む。


湖面は風に揺れ、光が細かく砕けて、銀色にきらめいていた。


夕暮れが近づいたころ、背後に小さな足音が止まる。


「どうしたの?」


振り向く前から、わかっていた。


立ち上がると、そのまま兄さまの胸に顔を埋めた。


こらえていたものが、気づけばこぼれていたのだ。


兄さまは何も聞かず、


背中を静かに、一定のリズムで叩いてくれる。


その温もりに包まれて、


ようやく息が整った。

今日はちょっとだけ心が重くて、

あまり上手に書けなかった気がします。

ごめんね……。

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