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召喚2日目2:ダイナマイトは全てを解決する


「で、何で2日目にして神殿の攻略が始まっているの?」


「進君が強いからです。」


 なわけないだろう。確かに進太朗くんが卓越した強さなのは事実だ。だが、魔物は無尽蔵に湧いてくる。どんなに強くても倒すにはそれ相応の時間が掛かる。


 それにも関わらず、俺たちは今、王国に最も近い魔王軍の神殿の一つを攻略中だ。


 曲がりくねった通路を進むと、ゴブリンの軍団が出現した。


「貴様らが勇者か!」


「戦闘の素人如きがよくやる!だが、今日がお前らの命日だ!」


 大きさだけで見れば、1メートル程度と小さい。しかし、1体1体の動きがすばしっこく、数も20を超える。これは厄介な相手だ。


「ゴブリンはゲームじゃ雑魚キャラだが、油断は禁物だぞ。俺も何度かゲームオーバーに陥った。」


俺の警告に、進太郎君とガルドさんは息をのむ。それぞれの武器を構えると、背を寄せ合って守りの姿勢をとる。緊張が走る。だが、そんな空気を無視して、メイが一人前に出た。


「何を言っているのですか、直太様、こんな雑魚如きに割いている時間などありません。」


「え?おい待て、やめろ。」


「いいえ、強行します。」


俺の静止を無視して、メイが何かを投げ込んだ。


次の瞬間、轟音とともに、魔物たちは炎に包まれる。ゴブリンの体は粉々に吹き飛んだ。死にかけの凄惨な悲鳴を聞きながら、メイは満足そうに言い放った。


「やはり、ダイナマイト。ダイナマイトは全てを解決します。」


そう、攻略の進みが早い理由。それは、メイが躊躇いなくダイナマイトを使いまくるから。ここまで、全く剣や魔術の出番がなかった。


「うわあ、悪魔だ。悪魔がいるよ。」


「失礼な、効率的に攻略しているだけです。」


なんでメイド用アンドロイドがダイナマイトなんて持っているかって?


俺が聞きたいよ。


「なんの音だ?うん、これは、何と凄惨な……」


 奥から新たなる刺客が現れる。5メートルを超える巨体の黒い体に大きな牙。先ほどのゴブリンたちのリーダーたるオークだろう。


「よくも部下たちを。この俺、ミハイルが仇を取ってくれる!」


容姿こそ恐ろしいミハイルさんだが、その目に涙を浮かべていた。敵ではありますが御心境お察しします。


「さあ来い、戦い方を教えてやる!」


 ミハイルさんは魔術による身体強化を行い、棍棒を振り上げた。しかし、メイは涼しい顔をして、その場を動かなかった。


ただ一言、こうつぶやくだけ。


「ガトリングモード、移行します。」


その言葉とともに、メイの右腕の肌のパーツがめくれ、内部の機械が露出。それらの機械が変形し、ガトリング砲になった。


「何か物騒なものが出てきたぞ。」


今にも、ミハイルさんが棍棒を振り下ろそうとするその瞬間。ガトリングの銃身が回転し始めた。


「ぬおお!」


それがミハイルさんの最後の言葉だった。棍棒がメイに届くことはなく、一方的に飛び道具の暴力が彼の巨体を襲う。弾丸が貫通する衝撃によって、踊るように揺れる。その体のあちこちに穴が開き血が噴き出る。


「うわあ……」


 酷い。あまりに酷すぎる。ぼろ雑巾のようになったミハイルさんの遺体をみて、俺は合掌せずにはいられなかった。


「せいぜい私たちに喧嘩を売ったことを、あの世で後悔するといいですね。」


メイは、遺体の山に向けて追い打ちをかけるように言い放った。これもうどっちが魔王軍かわかんねえな。


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