表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/108

第36話「僕の3年間は、ここにあった」 ──前編──

3月。

 グラウンドの端にまだ少しだけ雪が残っていた。


 


 白い制服、白い息。

 校門の前で写真を撮る人、笑う人、泣く人。


 


 卒業式の朝。

 笹崎凛太郎は、制服のポケットに、くしゃくしゃの手紙を入れていた。


 


 (最初は、ただの間違いだった。

 誰かが勝手に出した入部届。間違えて入った、モルック部)


 


 けれど、

 「投げて当てるだけ」のその競技が、

 気づけば、自分の毎日になっていた。


 


 手紙には、こう書いてあった。


 


 > 入部届が勝手に出されていたあの日から、

 > 僕の3年間は始まりました。

 > あれが“偶然”だったとは、もう思いません。

 > 今では、それが“必然”だったと信じています。


 


 「卒業生代表、笹崎凛太郎」


 


 名前を呼ばれたとき、

 体育館の空気がふっと静かになった気がした。


 


 一礼して、壇上に立つ。

 マイクの前に立つと、

 3年間の声、笑い、土、悔しさ、拍手、すべてが一気に胸を満たした。


 


 (ちゃんと、伝えよう)


 


 深く息を吸って、凛太郎は語り出した。


 


(つづく → 中編)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ