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初めて文章を書きました。
乳飲み子を見守るくらいの気持ちでお願いします。
「やだ、降ってきちゃった」
今日は休日で大型手芸店でガッツリ買い込んだ資材を抱えて蒲田駅に向かって駆けだした。
駅まで大した距離じゃない。傘はないから濡れないように袋をしっかり抱える。
遊歩道を雨がぽつぽつと濡らしはじめる。駅までもう少し。
薄暗がりの中ロータリーの花壇の手前の植え込みにに白い猫がうずくまっている。
「わー!猫ちゃーん!!」
雨降りの中水が嫌いだろうになんでこんなところにいる?
と、手を伸ばしたら「え…なんだレジ袋…?」
が、ピカーっと光る。目が開けられない眩しさ。「えーーーーレジ袋ーーー?」
「うぉおおおおおおお!」
「やった!成功だ!召喚は成功したぞ!」
「…はぁ?」
これが私、尾山台 杏菜のこの国での第一声。
天井が高く周囲には白くて太い柱がある西洋風の広いホール。ギリシャの神殿みたい。
そこに欧米人風の大勢の人達が私を取り囲み歓声をあげながらこちらを見て
口々に「成功だ!」「3人?」「救世主様だ!」なんかいろいろ言ってる。
なんでニホンゴ喋ってるんだろう。
訳が分からないながら辺りを見回すと大理石っぽい冷たい石の床の隣には
私以外にも2人の女の子が同じようにぺたんと座り込んでキョロキョロ周りを見渡してる。
1人は柔らかそうな茶髪のセミロングウエーブヘアでちょいタレ目の童顔なのに出るとこ出てるのが強調された
パステルピンクのニットにフワッとした膝丈スカートの女子大生っぽい子。
かわいい。
1人はパッツン前髪に肩に付くくらいの長さのつやつや黒髪ボブヘアでパッチリお目めの色白で華奢な
ブレザーにチェックのプリーツミニスカートの女子高生。
かわいい。
テレビドラマ?映画?撮影現場に紛れ込んじゃったのかな~
ヤバいななんだこれと呆然としていたら、白い髭に高い帽子で他の人よりも豪華な白装束の
年嵩の男性が進み出て女子大生に「ようこそお越しくださいました」と言いながら手を差し出して、
「あなたこそ求めていた私達の救世主さまです」と言い
さあさあこちらへとたくさんの白装束集団と共にそのままホール?から出て行った。
私と女子高生は顔を見合わせてそして消えた方をあっけにとられて見つめた。
「ようこそお越しくださいました」と今度は銀髪碧眼の見目麗しいマント姿の
キラキラしいザ・王子様!って感じの青年が女子高生に手を差し出し
同じように「あなたこそが求めていた私達の救世主さまです」と言いながら
王子様と従者集団と共にホールから連れ出されて…
次は私?………
いや、来いよ!早く!
さっきまでホール内にたくさんいた集団が出て行ってしまい
残されたのは黒い詰襟に剣帯の人達。
やや遠巻きに「これ?」「俺たちはこれなの?」と言いながら私を見ている
ちょっと!これってなによ!
可憐な女子高生でもエロカワ女子大生でもなくてすみませんね!