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フリースタイル令嬢

作者: たなか

「HEY!王子!男爵令嬢連れて浮かれてる姿、観客に影響、ぶれてふざけてるウザさ、そちらが婚約者置いて真実の愛探すなら、こちらはそんな愚者ポイ捨て。紳士?嘘!恥晒すバカ!」


「落ち着けアリエッタ。お前うっかりの勘違い、狼狽え、すっかりオカンみたい。メアリとの会話は、お前のために呼びつけ相談。誕生日のプレゼント、送る意見交換。お前以外の女は俺の目に入らない。他の女の笑みは据え膳でも要らない」


「そんな砂糖山盛りに甘いだけの言葉に、騙されるほど初心じゃないの。カフェテリアで二人きりデートしたのも知ってる。こんな阿呆なら墓地に埋めるしか使い道ねーよ」


「逢引したりしない。歯ぎしりしたいぐらい。見損なわないでくれ、そして二度と病まないでくれ。店の下調べ、お前と行くため。よせよマイハニー、アリーどうしてとめどない俺の愛を疑う?」


「女らしくない事ぐらい自覚してる、威嚇見せるほどイタくみえるもの。もう可愛くないこの暗い私が愛される訳が無いでしょう」


「素直でないのも魅力の一つ。裏表ない、物怖じしない凛とした素顔。お前よりも素敵な女はこの世にいない。俺の全てはお前のために」


「王子…」


「アリエッタ…」


 ここで審判、オーディエンス共に二人の甘くて重すぎる愛の応酬に耐えられずギブアップ。二人のフリースタイルラップバトルは無効試合となった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 異世界恋愛でラップバトルという発想が面白いなぁと思いました。 楽しい作品を読ませていただき、有り難うございました!
[良い点] フリースタイル!(≧▽≦) 今後の二人の生活も見てみたいです。
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