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闇落ち白狐のあやかし保育園  作者: うちはとはつん
第1章 異界の異物
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009楽市、一言だけしゃべる 幕間っぽいもの


自分の踏みつける、下草の名が分からない。


辺りに生える木々も、虫の息や鳥の声も分からない。

草木の隙間から見え隠れする、獣たちも分からない。

何もかもが、見たことのないものばかりだ。

 

土の匂いや星の位置だけでは、なかったわけだ。

楽市は、自分で呆れてしまう。

森に精通する白狐としては、屈辱的な事柄である。


だが楽しくもあった。

一から調べるなんて、気が遠くなるけれど、そういう事が楽市は嫌いじゃない。


季節が変わり始める。

この所、陽射しの強い日が続いていた。

もう随分と昔のようだが、ガード下で飲んでいた頃が夏だったので、もう一度夏が来るのかと思うと、損した気分だ。

 

嵐の日より崩壊した斜面は、未だ草むらのまま。

うっそうと茂るそぶりが無い。

森林化は早すぎるとしても、背の高い草木が視界を遮るといったことが無い。

相変わらず、見晴らしの良い草むらだ。


一体どういう訳なのか?

分からないが、それで良い。

出来ればこのままであって欲しいと、楽市は思う。


「ここは、忘れたくないなあ」



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