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電話
合格の涙もおさまってきた頃、コートのポケットに入れていた携帯が振動した。振動が長く続くので取り出すと、やはり電話の着信だった。しかも果矢から。
「果矢、合格おめでとう」
合格発表の布には、果矢の受験番号四百五十五もちゃんと記されていた。
「そっか。合格してたか、私。その声の調子だとお前も合格してたみたいだな」
まるで自分の合格を今知ったみたいな口ぶりに、私は辺りを見回す。受験生とその親は何百人もいるので、果矢がこの場にいるか、いないかなんて分からない。
「ちょっと果矢、今どこにいるの?」
「どこって、家だよ」
「どうして? 風邪?」
「まあ、そんなとこだ。凪、悪いけど私の代わりに入学説明会、出といてくれ」
「いいけど、ほんとに風邪なんだよね?」
「後でかけなおす」
切れた。




