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行ってきます
「アーーーーーー」
青架島での最後の発声練習を終えて、私は立ち上がる。そのまま砂浜を横切って港へ向かう。砂に足を取られたり、けつまずいたりはもうしない。
港の方には、見送りに来てくれた彦おじさんや同級生や後輩の姿が見える。
二月ももう終わる。
そう言えば、この砂浜で凛さんと出会ったんだった。初めて会ったとき、私は凛さんの歩く姿に見とれた。まっすぐな背筋、メリハリの利いた足取り。
今私はどんなふうに歩けているのかな。少しでも凛さんに近づけたかな。
「行ってきます」
青架島の砂浜にそう挨拶してから、私は旅立った。




