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凪の歌  作者: 仙葉康大
第二章
11/52

 朝、三和土(たたき)で靴を履いていると、後ろから声をかけられた。


「今日の放課後、港へ来れるかい?」

「行けるけど、どうしたの? 何するの?」


 雛ばあは掛け時計に目をやって、


「もう八時過ぎだよ。遅刻するんじゃないかい? ほら、いってらっしゃい」

「う、うん。行ってきます」


 一度外に出て、すぐ引き戸を開けて尋ねる。


「何か企んでる?」

「早く行きなっ」


 もう一度いってきますと言ってから、私は走り出した。朝の空気が肺を洗っていく。何だってできそうな気がした。


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