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不老不死な魔王×勇者の異世界転生生活  作者: 冬野 冷
第一章 転生<脱ニートを目指して・・・・・・>
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第3話 どうやって働くか、考えよう

「僕たちって・・・・・・ニート?」

「・・・・・・」


自分から目をそらすカルトを見て、天輝は自分の考えが正解であることを確信した。


「うん。カルトも分かったんだね」

「あぁ、最悪だ。しかも、今まで全然気づかなかった。」

そう言って頭を抱えるカルトを見て勇者は叫ぶ。

「僕たちはニートだ!!これはどうしようもない事実なんだよ!!」

「分かってる!!分かってるから!!大声で言うなよ!!」







何か精神的なダメージを負った元魔王と元勇者は、この後めちゃくちゃ遊んだ。







―—―――――







「カルト、僕たちはニートだ。」

死んだ目で言う天輝。


「あぁ。そうだな。」

同じく、死んだ目で答えるカルト。


「僕らは働かなければならない。」

「でも、冒険者になるにしても、自分はこうこうこういう人ですっていう説明が必要なんだぞ。俺は元魔王で、お前は元勇者だ。正直に『俺は元魔王で~こいつは元勇者なんです~』って言うのか?」

「そんなこと言っても、誰も信じちゃくれないよ。」

「だろ?だからどうすんだよ。」

「それを今考えて・・・・・・あっ。」

「どうした?何かいい考えでも思いついたのか?」

「いい考えかは分からないけど・・・・・・転生するっていうのはどうかな?」

「転生?」

カルトは思わず声を上げる。


「そう、転生。転生すれば親もいるし、新しい名前もゲットできるし・・・・・・うん、我ながらいい考えだと思う。」

「なるほど。でもどうやって・・・・・・。」

「えっと、実は『転生』の魔法陣を持ってるんだけど・・・・・・。」

「何!?」


どこから取り出したのか、転生の魔法陣(仮)の書かれた紙を広げる天輝を見て、カルトは驚く。


「・・・・・・何でお前が持ってんだよ。」

カルトはそれが本当に『転生』の魔法陣であることを確認して天輝に問いかける。

「聞いても、怒らない?」

「内容によりけり、だな。」

天輝はひとつため息をつき、語りだす。


「・・・・・・僕って、別の世界からこの世界に召喚されてきたでしょ? 召喚されてきたばかりの時は、どうにかして元の世界に帰りたかったから、魔法の勉強ばっかりしてて・・・・・・。」

「そうしてできたのが、この『転生』の魔法陣か?」

「そう」

「何で、元の世界に帰るための魔法陣が『転生』の魔法陣になったんだよ!!」

カルトは、何故こうなったのかと叫びたかった。

「さあ。頑張って組み立てたんだけどね。駄目だった。」

「お前・・・・・・。」

少し悲しそうに言う天輝を見て、カルトは目頭を押さえる。

「でもっ、今はここにいてよかったって思えるようになったんだよ。これも全部カルトのおかげだよっ!」

そう言って笑う天輝を見て、カルトは泣き出す。

「えっ!どうしたの!?何で泣いてんの!?」

「ふぅっ、ひっく、ふぇぇ、な、泣いてなんかっねえよぅ。」







 元魔王は泣き続け、元勇者はそれを慰め続けた。結局、元魔王が泣き止んだのは日が昇ってしばらくしてのことだった。







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