第1話 魔族の男と大荷物
ここは、森の奥深く。少々薄暗く、じめじめし、凶暴な生き物たちが闊歩するところ。そんな場所を1人の男が進んでいた。……大荷物を引きずって。
「もう……疲れた……。いつになったら着くんだよ。荷物も重いし……。帰りてぇ……。」
そんな泣き言を言いながらも、進む男。その男は、よく見れば人ではないことが分かる。その男は……魔族であった。
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この世界には、主に7つの種族がいる。人族、魔族、獣族、エルフ族、ドワーフ族、妖精族、精霊族の7種族だ。
人族は、見た目に何か特徴があるわけでもなく、何か一つに秀でているわけでもないが、様々な才能を秘めていて、ほかの種族より数が多く、寿命は100年。
魔族は、耳の上の方が少しとがっていて、魔力という魔法を使うのに必要な力の源を多く持ち、魔法の扱いに秀でていて、寿命は200年。
獣族は、獣の耳としっぽが生えており、犬人・狼人・猫人・兎人・熊人・鼠人・豹人・虎人などがいて、身体能力が高く、寿命は100年。
エルフ族は、耳が長く美しいものが多く、精霊族から力を借りるのに対価として渡す神魔力を多く持ち、弓をの扱いが上手で、寿命は300年。
ドワーフ族は、大人の者で見た目が人族の12~13歳の合法ロリ・合法ショタで、物作りに秀でていて、寿命は150年。
妖精族は、とても小さく羽が生えており、いたずら好きの者が多く、どうやって生まれているのかがわからない者である。
精霊族は、形は人族に似ているが美しい者ばかりで、とてつもない力を持っていて、その存在自体が神魔力の集合体、神魔力がある限り生き続けるが神魔力が尽きれば消滅する。
そして、この世界には動物とは違う魔物という存在がいる。魔物とは、魔力を持つ凶暴な動物で、体内に魔石を持つ。また、その体は丈夫だったり、薬の材料に使えたりする。しかし、普通の動物よりも強いものばかりで、わざわざ狩りにいくものはあまりいない。
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「……あぁ!!や、やっと着いたーーー!!」
男は膝をついて、泣き出す。ボロボロになった姿が、これまでの苦労を感じさせる。そんな男の前には一軒のボロ小屋が建っていた。
「ひっく、ぐすっ。な、泣くのは後で帰ってからにしよう……。えっと、すみませーん、荷物を届けに来ました!ここに置いときますねーー」
そう言って荷物を置くと、男はそこから去っていったのだった。残されたのは男が運んできた大荷物のみ。しかし、その荷物もいつの間にか消えてしまい……。
ここは、森の奥深く。少々薄暗く、じめじめし、凶暴な生き物たちが闊歩するところ。そこでは、夜な夜な魔物の鳴き声や遠吠えと……人の笑い声が聞こえるらしい。
ほとんどが説明で終わった……。