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這いつくばってでも生き延びる
子どもの頃は何でもそつなくこなせた。いつからだろう、物事が今一つうまくいかなくなったのは...。
小林祐二は憂鬱な気持ちでいっぱいだった。大学まではよかったものの就職でつまずいてしまい、唯一受かった会社も合わず、ついに先日辞めてしまったのだ。周りの友人は大企業や公務員など安定した場所に身を落着けている。小林には彼等がまぶしく見えて仕方がない。しかしもう社会人として生きていくのも嫌になってしまったのでこれからどうやって生活していこうか頭を抱えているのだった。