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牡丹の花束  作者: 柊 さつき
12/22

11話

カランカラン

「いらっしゃいませ」

「あ!剣ちゃん」

巴の声に、美咲と海が振り返る。

「皆さんお揃いでしたか」

どこかバツの悪そうな剣迩。それもそのはず、剣迩は女の子と一緒だった。

「もしかして、真琴さん?」

「はい。夏目真琴です」

剣迩の隣で、真琴はペコリとお辞儀をする。

「なになに?剣迩君も隅におけないな~」

さっそく美咲は、からかいにかかる。

「そんなとこで立ってないで、お好きな席にどうぞ」

巽が中に入るように促す。2人はカウンター席に近い、テーブル席に座った。

「あなたが巴さん?」

「えぇ」

おしぼりと水を持ってきた巴に真琴が話しかけた。真琴は、巴の髪留めを見ていた。

「よかった。剣迩君から頼まれて、巴さんに似合う物を一緒に選んだけど、似合っていてよかった」

真琴は、ホッとしたようにふわりと笑う。その笑顔には同性ながらも、巴はドキリとしてしまった。

「あ、ありがとう」

そんな巴と真琴のやり取りを見て、剣迩は苦笑する。真琴は、ここでも王子気質を披露していた。

カウンターからその様子を見ていた3人は、真琴の気質を、なるほどと納得していた。

「夏祭りは、どうだった」

「お祭り自体は知っていたけど、いつも店番だったから見て回れて嬉しかった。誘ってくれてありがとう」

真琴は巴の質問に答え、剣迩に礼を言う。

「楽しかったなら、よかったよ」

剣迩は、ふっと笑う。

「ご注文は?」

「本日のおすすめを2つ」

「かしこまりました」

剣迩と真琴を交えて、金木犀はにぎやかになっ

た。

外では、夏至祭りが宵祭りへと姿を変えていく。電燈には明かりが燈され、吊るされたフラワーボールは、昼間とは違う表情を見せている。

金木犀は、透が来るのを待って、早めに店じまいをして、みんなで宵祭りに繰り出した。

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