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リボンワンピース・プリンス  作者: 月島
第一章 学園の王子様には秘密がある
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2 アプローチ

 (りん)が走り去ってしまった方を呆然と見つめた後、(いと)は先ほど拾ったまるぺんのマスコットに視線を落とした。


 驚いた。(りん)があんなに可愛い格好をしていたことにも、こんなに可愛いものが好きなことにも。(いと)が知っている彼女は、いつも落ち着いていて、王子のように格好良くて余裕がある、男子にも女子にも見とれられてしまうほどのイケメン女子だった。

 他の生徒が先ほどの(りん)を見たら、間違いなく戸惑ってしまうだろう。下手をしたら幻滅してしまうかもしれない。だが、(いと)はそんなこと微塵も思わなかった。それどころか、寧ろ……。


「ふーりん、可愛すぎねえ……?」


 彼女の可愛らしさに、赤面して胸を高鳴らせていたのだ。全く、(りん)の気持ちも知らずに呑気なものである。


 後ろから、執事の香田が追い付いてきた。彼女は(いと)のにやついた顔を見るなり咳払いする。


「坊ちゃん、顔がだらしないですよ」

「うるさい。今それどころじゃないんだよ」

涼風(すずかぜ)様に気持ち悪がられてしまいますよ」

「え……そ、そうか……」


 (いと)はしゅんと肩を落とす。(りん)の名前を出しただけでこうもしおらしくなるのだから、本当に単純だ。香田はやれやれと苦笑いした後、彼が持っていたまるぺんのマスコットを見て目を丸くした。


「それ、涼風(すずかぜ)様の落とし物ですか?」

「あ、ああ……そうだ。これ、届けないと。香田、車でふーりんの家に寄ってくれるか?」


 (いと)に尋ねられ、香田は「ふむ」と思案顔になる。


「別にかまいませんが、それは早計ではないでしょうか」

「なに?」

「坊ちゃん、これは涼風(すずかぜ)様にアプローチするチャンスなのですよ。ただ落とし物を届けるだなんてつまらな……んん、勿体ないです」

「今つまらないって言わなかったか?」

「言っておりません。私は、この機会を活かしてはいかがか、と申したいのです」


 香田はそう言うと、真剣な顔でまるぺんのことを見つめる。


「そのマスコットのキャラクターは「まるぺん」と言って、今をときめくキャラクターの一羽です。今週末から、このショッピングモール内のカフェでコラボイベントが開催されるらしいですよ」

「よく知ってるな」

「私もファンなので」

「そうだったのか……」


 驚いた顔をする(いと)にニコリと微笑み、香田は「もうお分かりですよね」と尋ねる。(いと)はそれにしっかりと頷き答えた。


「ふーりんを誘ってカフェに行けばいいんだな」

「ええ。きっとお喜びになります」

「分かった。家に帰ったら早速連絡する。香田、車だ」

「仰せのままに」


 車の元に歩いて行く香田を見送り、(いと)はまるぺんを撫でて小さく呟く。


「何も隠さなくてもいいじゃねえか。俺とお前の仲だってのに」


 先ほどの怯えた様子の(りん)がフラッシュバックする。彼女の可愛らしい姿や、新しい一面が見られたことが嬉しいと同時に、彼女に秘密にされていたことがもどかしく感じた。

 カフェに行く時に伝えなければ、俺にそんなつまらないことを隠すな、と。そう思いながら、(いと)は香田が回してきた車に乗り込んだ。


* * *


 帰宅した(いと)は、自室に戻ってベッドに寝そべると、スマホを開いた。メッセージアプリを起動し、「ふーりん」と名前があるトークルームに文字を打ち込んでいく。


「落とし物を拾ったから、明日会えないか……って、これじゃ普通過ぎか?」


 (いと)は首を傾げた。メッセージに奇抜さなど必要ないのに、「アプローチをしたい」という目的があるからか妙に凝りたくなってしまう。もっと(りん)の気を引かなくてはいけない。しかし、引かれるようなことはしたくない。でも……。


(くそっ、もう薔薇の花束持って家に突撃した方が早いんじゃねえのか?)


 短気なのも相まって、そんな暴挙に出てしまいたくなる。こんなことを考えてしまうのは、(いと)の片思い歴が長いからだろう。


(中学の頃からずっと好きだったんだし、少しぐらい思い切ってもよくねえか……いや)


 (いと)はベッドの上にスマホを置き、ごろんとうつぶせになって顔を羽毛布団に埋める。


(そんなことしたら、あいつは困んのか)


 (りん)は中学生の頃からずっと王子様で、全員に平等に好意的な振る舞いをしていた。そうしなければ、周囲の期待に応えられなかったからだ。

 当時、不良のように振る舞って周囲から浮いていた(いと)にすら優しくしてきたのだから、(いと)も思わず好きになってしまった。


 中学二年生の五月。たまたま隣の席になった際、居眠り中の(いと)が数学の先生に当てられ、答えられずに俯いているところを(りん)が助けてくれたのだ。


「2X-1だよ」


 その小声が初めての会話だった。

 そのときは気恥ずかしくて礼の一つも言えなかったのだが、それ以降もペアワークの度に(りん)は優しく話してくれた。

 英単語のテストをお互いに採点し合ったとき、毎度低い点数のテスト用紙に、(りん)はいつも丁寧な文字で直しを入れてくれた。

 今までのペアの生徒は、(いと)に怯えて丸付けと点数だけ書き込んで無言で返してくるだけだったのに、(りん)は違ったのだ。

 彼女だけは、(いと)を対等に見てくれた。


涼風(すずかぜ)、俺のことを怖くねえの?」


 授業後の休み時間、彼女に尋ねたことがある。このときは、(いと)も彼女は「自分に気を遣って優しくしているのだ」と思っていた。

 しかし、(りん)は笑顔で首を振るのだった。


「別に怖くないよ。日和(ひより)君、意外と真面目だし、不器用なだけでいい人だよね」

「は? 俺がいい人?」

「うん。ほら、日和(ひより)君ってさ、いつも朝学校で宿題してるでしょ。その時、すっごく難しい顔してるけど、朝の会が始まるギリギリまで頑張ってるよね。すごく真面目だなって思って見てた」


 (りん)に微笑みながらそう言われ、(いと)は照れくさそうに目を逸らす。


「真面目じゃねーよ。終わんねーからやってるだけで……俺、馬鹿だから」

「でもさ、投げ出さないで頑張るのも大変なことなんだよ? 私も早起き続けようって頑張ったことがあったけど、結局三日坊主だったし……だからさ、日和(ひより)君は真面目で頑張り屋さんないい人だと思うよ」


 何の嫌みも感じさせない、澄み切った優しい言葉。彼女の優しさに触れて、(いと)の胸がドキリと音を立てる。顔が熱くて、こんな真っ赤な顔を彼女に見せるのが恥ずかしかった(いと)は、勢いよくそっぽを向いて小さく告げた。

 

「……あんがと」

 

 今まで、他人から「頑張り屋」だとか「いい人」だとか、そんな風に言ってもらえたことは無かった。だって(いと)は昔から喧嘩っ早く、小学校高学年からは不良として他の児童から怖がられていて、素行も悪ければ成績だって悪かったから。

 だからこそ、彼女の言葉に心の底から驚いたのだ。驚いたし、(りん)となら友達になれるかも、と思えた。いや、友達以上の関係になりたいと思ってしまった。


 この瞬間、(いと)は初めて人を好きになったのだ。


 もしかしたら、本当に気を遣われていたのかもしれない。だって、(りん)は王子様で、誰にだって優しい人間だったから。

 でも、(いと)は彼女の言葉を嘘だと思いたくなかった。だって、あんな笑顔で嘘をつける人間なんていないだろう。

 それに加えて(いと)には、彼女の方も、自分といる時は少し自然体だったように見えていたのだ。

 少なくとも、彼女にとって自分は、ほんの少し周りと比べて特別なのだと、(いと)は信じたかった。

 欲を言うと、彼女も自分と同じ好意を持っていて欲しいとも思ってはいたが。


 だが、仮に好意があったとしても、今も(りん)が王子なのには変わらない。そのため、彼女は周囲の期待に沿って「恋人」なんて作らないだろう。周囲のために、可愛いものが好きなのも隠してしまうくらいなのだから。


(困らせたくはねーけど……でも、こうやってモダモダしてるのは、嫌だな。俺らしくもねえ)


 (いと)は考えた挙句、思い切ってメッセージを送った。


「明日の10時、迎えに行く。好きな格好で待ってろ」


 送ったメッセージに既読が付く様子は無い。やはり警戒されているのだろうか。(いと)は頭を悩ませた。


(こーいうときは……スタンプを送ればいいんだっけ? たしか香田が言ってたような……)


 (いと)はスタンプのタブを開き、自分が持っているものを確認する。しかし、女子に送って喜ばれそうなものは持っていなかった。自分のタブに入っているのは、音楽家のデフォルメキャラが喋っているシュールなものだけだ。

 しかし、送らないよりはマシだろう。


(うーん、これにしとくか)


 (いと)はベートーヴェンが「また会おう」と言っているイラストのスタンプを送った。もしかしたら選択ミスかもしれないが、明日会いたいのは事実だし、別にいいだろう。


 部屋のドアがノックされ、香田の「夕食の支度ができましたよ」という声が聞こえる。それに返事をして、スマホを置いたまま部屋を出た。


 誰もいなくなった部屋の中、放置されたスマホがメッセージを受信して小さく揺れた。


* * *


 制服に着替えた後、黄花中央駅から電車に乗り、逃げるように家に帰ってきた(りん)を、大学生の兄・(りつ)が不思議そうな顔で迎える。


「あれ? (りん)、お帰り。もしかして慌てて帰ってきた?」

「え……な、なんで」

「髪が跳ねてるし、顔色が悪いから」


 (りつ)は無造作なパーマのかかった金髪をかきながら、空いた手で顔色の悪い(りん)の横髪を手櫛で整える。

 大好きな兄の大きな手を顔の近くに感じ、(りん)の気持ちも徐々に落ち着いていった。


「とりあえず落ち着きな。夕飯、もうすぐできるから」

「う、うん……」


 (りん)は小さく頷き、靴を脱いで洗面所に手を洗いに行く。

 石鹸でまめに手を擦り、うがいを済ませて鏡を見る。そこに映っているのは、普段通りの王子様の自分だった。


「……はは。こんな私が可愛いものが好きなんて、誰も信じないよな」


 乾いた笑い声を出し、洗濯ネットにワンピースを入れてランドリーボックスに突っ込んだ後、静かにリビングに戻った。

 ソファに座り、鞄からまるぺんのぬいぐるみを出して抱き抱える。


 兄が言ったように、ダイニングキッチンの方からはハンバーグの美味しそうな匂いが漂ってきている。どうやら彼が料理をしているようだった。


 涼風(すずかぜ)家の家庭事情は少し特殊だ。父は転勤族で、日本中を転々としているため基本単身赴任。母は事情が不明だが、(りん)が小学生の頃から家にいない。

 昔は、父が不在の時は叔父一家に面倒を見て貰っていたが、(りつ)が大学生になって以降は実家に戻って兄妹二人で暮らしている。


 普段は二人で家事を分担して生活しているが、(りつ)の就活が無事に終わり、大学四年生となり必要単位もほとんど取り終えてしまった今は、家にいることが多い(りつ)が率先して家事をしてくれているのだ。


 (りん)にとって、(りつ)は兄でありながらも、父のようであり、母のようでもある存在だった。

 頼り甲斐があって、ありのままの自分を受け入れてもらえる存在。しかし……。


(りん)、今日は誰かから告白されたりしなかった?」

「え? ああ、うん。今日は無かったかな」

「そっか。安心した。(りん)に悪い虫がついたら、兄ちゃん、泣き喚きながら燃やしちゃうかもしれないから」


 たまに、過保護なのだ。


「あはは……燃やすって、大袈裟だよ。そんなことしなくても」

「大袈裟じゃない。(りん)は優しいから、悪い奴から告白されても断れないだろ。昔、それで嫌な思いしてたじゃないか」

「それは……昔の話だよ。今は違う」


 (りん)はまるぺんのぬいぐるみをギュッと抱きしめながら、目を伏せた。


 (りつ)が言っているのは、中学二年生の夏休みのことだ。(りん)は、当時告白してきた男子生徒に花火大会に誘われたのだ。告白を断ったのにも関わらず、だ。


「涼風さん、花火大会行かない?」

「え……な、なんで」

「いや、俺のことを知ってもらえたら、涼風さんの気持ちも変わるかなーって」


 そう言って、彼はヘラヘラ笑っていた。


「ごめん、そんなことしても、私の気持ちは……」

「でもその日、特に予定無いって言ってなかった?」


 ああ、同級生である従姉妹との会話を聞かれていたのか。彼女と遊ぶ予定ではあるのだが、彼女が彼氏と花火大会デートする関係で、会うのは午前だけ。夜はたしかにフリーだった。


「それは……」

「無いなら来てって」


 彼の押しが強すぎて、(りん)は結局断れなかったのだ。

 そして夜、花火大会の会場に集まった後、公衆トイレの後ろに強引に連れ込まれ……無理矢理、唇を奪われた。


「っ……や、やめて……」


 引き剥がそうにも、力が強くて逃れられない。心臓がバクバクと音を立てる。怖い。怖くて震えが止まらない。


 必死に拒否しているのに、相手は(りん)にくっついて離れてくれなかった。


 しかし、その時に彼が来てくれたのだ。


 彼は、(りん)にくっついていた男子生徒を引き剥がし、その顔面を殴り倒した。

 (りん)が驚いてトイレの壁にもたれているのには目もくれず、彼はその男子生徒の胸ぐらを掴み怒鳴る。


「てめぇ、なに涼風(すずかぜ)に手ぇ出してんだよ」

「は……? お、お前には関係ないだろ! 日和(ひより)!!」

「関係あんだよ! 涼風(すずかぜ)は、俺の……友達だ」

「はぁ?」

「友達だっつってんだよ!」


 そう言って、(いと)は再度拳を振り上げる。


「この前の会話聞いてたぞ。涼風(すずかぜ)を強引に連れ出して、怖い思いさせて……てめぇは許さねぇ!!」


 (いと)が拳を振り下ろそうとするのを見た(りん)はふらふらと彼に歩み寄り、彼の拳を自分の手で包んでそっと止めた。

日和(ひより)君。やめて」

「っ……、でも!」

「いいんだ。……もう、いいんだ」


 涙が止まらなかった。

 怖かったからではない。辛かったからではない。(いと)が自分を「友達」だと言ってくれて嬉しかったから。

 そんな風に、王子として目立っていた自分を「友達だ」と言ってくれた人は初めてだったから。


日和(ひより)君。もう大丈夫だから……私なら、大丈夫だから……」


 涙をボロボロと零しながら「もういいから」と繰り返す(りん)を見て、(いと)は男子生徒から手を離す。


「……おい」


 (いと)は男子生徒を睨み、低い声で告げる。


「もう二度と、涼風(すずかぜ)に近寄るんじゃねえぞ」

「……! くそっ……!」


 男子生徒は怯えた顔で走り逃げていく。それを睨みつけた後、(いと)は溜息を吐いて泣いている(りん)のことを見上げた。


「ごめん。怖い思いさせた」

「……ううん」

「家まで送る」

「うん……」


 (いと)は泣きじゃくって動けない(りん)の手を引いて、家まで送り届けてくれたのだった。


 ……あの時の、自分の言葉。


 ──私なら大丈夫だから。


 違う。言葉が足りない。


 ──日和(ひより)君がいれば、私は大丈夫。


 その言葉を伝える余裕は無かった。そして、(りん)は今でもそれを心のどこかで後悔している。


 だって、今も、(いと)がいるから、学校生活が「大丈夫」なのだから。


 そこまで考えて、先ほど自分が可愛いもの好きだとバレてしまったことを思い出す。


(……よりにもよって、なんで、いと君にバレちゃったんだろう。いと君と友達じゃなくなるのだけは、嫌なのに)


 そう思っていると、不意にリュックの中のスマホがピコン! と音を立てた。


 確認すると、(いと)からのメッセージだった。ちょうど悩ましく思っていた彼からのメッセージとあり、緊張しながらトークルームを開く。


 ──明日の10時、迎えに行く。好きな格好で待ってろ。


 そんな短くて無愛想なメッセージに戸惑ったのも束の間、そのすぐ下の、満面の笑みで「また会おう」と言っているベートーヴェンが目に入り、思わず吹き出してしまう。


「ふっ……」

(りん)? 何かあった?」

「い、いや……友達からのスタンプが面白くて」

「ふぅん……ちなみに、男子?」

「うん」

「悪い奴じゃないよな……?」

「大丈夫。いと君だよ。日和弦(ひよりいと)

「ああ、日和(ひより)君か……」


 (りつ)(いと)のことは知っていた。あの花火大会の事件の日に、(りん)を家まで送り届けてくれた彼から、そのときの事情を聞いたのだった。

 そのため、(りつ)も彼のことは信頼している……が、内心では(りん)のことが心配で気が気じゃない。

 (りん)を助けようと同級生を殴り飛ばしてしまうぐらいだ。(いと)(りん)のことが好きなのだろう。すると……やはり、妹が取られるようで寂しいというか。


 そんな兄の心配は他所に、(りん)は彼への返信を考えていた。

 好きな格好で、ということは、可愛い格好をしてもいいのだろうか。もしかして、(いと)は自分が可愛いもの好きであることを受け入れてくれたのだろうか。

 (いと)は不器用すぎるぐらい素直で、真っ直ぐで、他人を揶揄うタイプではない。わざわざ(りん)に可愛い格好をさせて揶揄ったりなんてしないだろう。


 そして、理由は分からないが、こうして出掛けようと誘ってくれている。これはある意味好都合だ。


 だって、あの花火大会のお礼や、普段一緒にいてくれるお礼を言えるかもしれないのだ。


 ──いと君がいるから、私は大丈夫なんだ。


 もし彼がありのままの自分を受け入れてくれるなら、明日、しっかりとそう伝えたい。


 (りん)は密かに決意し、(いと)に「分かった。待ってるね」と返信する。


「お兄ちゃん、明日、いと君と出掛けてくるね」

「え……」

「なんかまずかった?」

「い、いや、いい。分かった」


 先ほど思った通り、(いと)に妹を取られてしまうのか……と、思わず顔を引き攣らせた(りつ)だったが、暗かったはずの妹の声が明るくなったのを見て、「まあいいか」と思い直す。

 やはり(りん)を笑顔にできるのは「いと君」なのだなと、改めて思わされた。


(りん)は気付いてるのかな。日和(ひより)君の気持ちと、自分の気持ちに)


 ソファでスマホを嬉しそうに見ている妹の後ろ姿を眺めながら。(りつ)はハンバーグを皿に盛り付けた。

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