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リボンワンピース・プリンス  作者: 月島
第二章 君を知る文化祭
16/54

16 嫉妬

 翌日、(いと)が登校すると、隣の席に(りん)の姿は無かった。

 普段は彼女の方が登校時間が早いのに、一体どうしたのだろうか。(いと)は首を傾げる。


「おはよう、(いと)


 彼女の代わりに、後ろの席の(かなで)から声を掛けられる。(いと)は少し不機嫌そうな顔をしながらも、短く「おはよ」と返した。

 (かなで)の様子に、変わった所は見当たらない。普段通りの柔らかくて胡散臭い笑顔だ。でも、その笑顔の裏には間違いなく何かを隠している。それを確信していたため、(いと)は注意深く彼を見つめた。


(……あれ?)


 すると、僅かにだが、(かなで)の目が腫れていることに気が付いた。


「おい、(かなで)

「何だ?」

「お前……泣いた?」


 (いと)の言葉に、(かなで)の息がひゅっと詰まる。だが、すぐに表情を取り繕い、首を横に振った。


「泣いてないよ」

「でも、目が腫れてるぞ」

「ああ、じゃあ寝不足だよ。きっと」


 (かなで)は笑顔で誤魔化すが、(いと)は追及をやめない。真剣な顔で、(かなで)の瞳を真っ直ぐに見据える。


「眠れないようなことがあったのか?」

「……それを、君が知って何になるんだ」


 (かなで)は、凍り付くような笑顔を(いと)に向ける。


「僕のことばかり気にしているなんて、余裕だな。……昨日、(りん)ちゃんが熱を出したことも知らないで」

「は……? ふーりんが熱を?」

「ああ。君が助けに来ないから、僕が代わりに助けてあげたよ。……(りん)ちゃんを抱きかかえて、保健室まで運んだんだ」

「なっ……」


 (いと)は目を見開いた。

 (りん)が、(かなで)に抱きかかえられた。触れられた……それを想像するだけで、胸の奥がグラグラと煮える心地がする。

 それだけではない。中学二年生の夏休み、(りん)は同級生に無理やり襲われて、怖い思いをしたのだ。だから、親しくない異性から触られるのは怖かったはずだ。なのに、(かなで)に対しては抵抗もせずに抱きかかえられた。ということは、だ。


 ——ふーりんは、(かなで)に気を許してるってことだ。


 激しい嫉妬に駆られて、(いと)はぎり……と奥歯を食いしばる。それを見て、(かなで)はククっと笑った。


「僕の方が一歩リード、かな」

「くっ……」


 (いと)は悔しそうに顔を顰めた後、小さく溜息をついた。

 正直な所、耐えられないぐらい嫉妬をしている。しかし、(かなで)(りん)を助けてくれたことは事実なのだ。

 いくら彼がライバルだからと言って、彼女を助けてくれたことまで無下にするなんてできない。


「ふーりんを助けてくれたのは……認める。だけど、ふーりんのことは譲らねえ。絶対に、俺がふーりんを幸せにする」

「幸せにする? 口先だけなら何とでも言えるだろう」

「ああ。だから……行動で示してやる。お前に、俺のことを認めさせてみせる。絶対にな」


 (いと)は真剣な顔でそう言い切ると、席に着いた。

 ――行動で示す。(いと)はいつだってそうしてきた。(かなで)の言う通り、口先だけなら何とでも言えると思っていたからだ。

 (いと)はすぐに思考を切り替え、今、(りん)のためにできることを考える。


(ふーりん、熱出してるってんなら、やっぱ心細いんじゃないか? お見舞いに行ったら、少しは気が晴れるかな……)


 (いと)はそう思いつつ、お見舞いに何を持っていくべきか考え始める。その横顔は真剣だ。

 しかし、油断をすると先ほどの(かなで)の言葉が蘇ってしまう。


 ――ああ。君が助けに来ないから、僕が代わりに助けてあげたよ。……(りん)ちゃんを抱きかかえて、保健室まで運んだんだ。


 もし、自分がその場にいたら(りん)を助けることができたはずだ。それに、熱を出していたというなら日中の様子にも何か異変があったかもしれない。本当に、何も気づけなかった自分が情けない。

 このままでは、(かなで)に勝つことができない――真正面からぶつかることを躊躇っていた癖に、そんな焦りが生まれて、(いと)の胸が苦しくなった。


(くそ……俺、どうすればいいんだ?)


 (いと)は唇を噛みしめながら俯いた。

 一方の(かなで)も、彼の後ろ姿を見ながら、表情を歪める。


(どうして、お前は……何もかも持ってるのに、貪欲でいられる? 僕が持っていないものを、全部持ってる癖に)


 (かなで)の脳裏に、ホコリを被った電子ピアノが蘇る。本当なら、父が使っているはずだったあのピアノが。


 五年前。中学一年生の春の夜。(かなで)はベッドの中で、両親が言い争う声を聞いていた。


「僕は、才能のある子供が欲しいんだ。僕の才能を受け継いで、世界で活躍できる程のピアニストになる子供が。だから、ここを出ていくよ」

(かなで)だって、コンクールで最優秀賞ばかり獲ってるじゃない! 才能は十分に有るでしょう!?」

(かなで)のピアノは平凡だよ。才能なら、優秀賞の子……日和弦(ひよりいと)君の方が高い。僕は、彼を凌駕する才能を持つ子供が欲しいんだ。だから、別れて欲しい」

「何を勝手なことを言ってるの!? あなたがいなくなったら……私たちはどう生きて行けばいいの!? 私も、葵衣(あおい)ちゃんも、(かなで)も……あなたのためにずっと尽くしてきたじゃないの!!」

「……ああ、そうだったな。分かった。別れるのはよしておこう。でも、少し留守にするよ」

「じゃあ、帰って来るのね?」

「ああ。必ず、な」


 父・周防秀平(すおうしゅうへい)は、そう言って家を出たきり、五年経った今でも帰ってきていない。


 父親が不在になった周防(すおう)家の収入は大きく減り、母親のパートでは賄えなくなってしまった。

 父親が出ていってしまった当時、まだ(かなで)は中学生で、長時間働くことは不可能だった。

 だが、そこを運良く木崎市でイベントを開いてた芸能事務所のマネージャーにスカウトして貰い、中学生がしても問題の無い範囲でモデルの仕事をしながら食いぶちを繋いできた。

 そして、高校生に上がるタイミングでフローラ・フローラに加入し、仕事が多忙になってからは東京で一人暮らしをしつつ、母親に生活費を送っていた。

 しかし、今年の春。一人暮らしをしていた母親の精神に限界が来てしまったのだ。

 母親に泣きつかれ、(かなで)は木崎市に帰ってきた。無論、フローラ・フローラの仕事は続けているが、仕事量を調節してもらっている。

 そして、この帰省を機に高校も復学したのだが、母親の体調は回復せず、父親も帰ってくる気配は無い。収入はフローラ・フローラでの仕事だけで、いくら(かなで)が国民的アイドルだったとしても、余裕があるとは言えなかった。


 もし、自分に(いと)を凌ぐ才能があったら……彼は、家族を捨てないでいてくれたのだろう。それが分かっていたから……ただ、(いと)が憎かった。


 チャイムが鳴って、担任が教室に入って来る。


「おはよう。ホームルーム始めるぞー」


 窓の外で、雨が降り始める。もう梅雨だ。

 本来なら穏やかな朝の時間だ。しかし、(かなで)(いと)の心も、黒くて重たい雲がかかったように暗澹としていた。


* * *


 その日の昼休み。(いと)は二年D組の教室に向かった。目的は……美琴(みこと)に話を聞くためだ。

 ガラリとドアを開け、中に向かって声を掛ける。


涼風美琴(すずかぜみこと)って、いるか?」


 学園の王子様である(いと)が呼んでいる……とあって、教室の中がざわめく。


美琴(みこと)ちゃん、何しちゃったの?」

「えー、なんだろ……」


 クラスメイトから好奇心に満ちた目を向けられて苦笑いしながら、美琴(みこと)(いと)の元へ歩いて行く。


日和(ひより)君。どうかしたの?」

「あのさ……ふーりんのことで少し聞きたいんだけど、ここじゃなんだから人気の少ない場所に来てくれないか?」

「ふーりん……ああ、りんりんのこと? いいよ。じゃあ、中庭前のフリースペースに行く?」

「そうだな。悪い」


 二人は連れ立って、フリースペースに向かって歩いて行く。二年生の教室がある二階を降りて、一年生の教室に差し掛かった時だった。

 一年A組の前で談笑している(ひびき)と、友人の野球部たちが、(いと)美琴(みこと)に気が付いたのだ。


「あれ? 学園の王子様の先輩じゃね?」

「一緒にいるの、(ひびき)の彼女さんじゃん」

「はあ!?」


 (ひびき)は飲み終わった苺ミルクの紙パックを握りつぶして、(いと)美琴(みこと)の後ろ姿を見つめる。


「み、み、美琴(みこと)先輩……」

「何、略奪された?」

「まあ、相手は王子様だしなー」


 友人にケラケラ揶揄われながら、(ひびき)はワナワナと震える。


美琴(みこと)先輩に手を出す人間は……相手が王子様でも許さないー!」


 そう叫んだかと思ったら、一目散に二人を追いかけていった。

 好きな人のことになると猪突猛進になる(ひびき)を見て、友人は顔を見合わせて苦笑いしたのだった。


* * *


 美琴(みこと)(いと)は、フリースペースのベンチに並んで腰を下ろした。窓を挟んで、丸い花壇で彩られた中庭が見える。外は相変わらずの雨模様で、窓辺の赤い花には玉のような水が滴っていた。それを見ながら、(いと)は口を開く。


「お見舞いっていったら、やっぱり花かな……」

「え?」

「ふーりんが熱出して学校休んだんだ。だから、お見舞いに行きたくて。でも、何持ってったら喜んでくれるのか分かんなかったからさ、ふーりんと仲良さそうなお前の意見が聞きたいんだ」

「あー、そういうことか」


 美琴(みこと)はクスリと笑って、人差し指を立てながら答える。


「りんりんは、シャーベットが好きだよ。そんなにお洒落なやつじゃなくて、コンビニとかで売ってる……「ペンギンさんのグレープシャーベット」っていうアイスが好きなの。持っていったら喜ぶんじゃないかな?」

「ペンギンさんのグレープシャーベットだな。分かった。買っていく。……ありがとな」

「ううん。ところで、日和(ひより)君。りんりんとはどんな感じなの?」


 興味津々といった顔を向けられ、(いと)は照れくさそうに目を伏せた。

 どんな感じか、と聞かれたら、色んなことを答えなくてはいけない。自分の気持ちも、(りん)を巡って(かなで)と勝負していることも……それから、(りん)(かなで)に気を許してるんじゃないか、という嫉妬も。

 全て答えるのが難しくて、小さく「色々あるよ」と答えた。

 それを見た美琴(みこと)は、楽しそうに身を乗り出した。


「色々って、どんな?」

「お前、意外と遠慮ないのな」

「だって、気になるよー。大好きな従姉妹の恋模様だもん。りんりんが幸せだったらいいなって、いつも思ってるんだよ?」

「そうか。……うん、そうだよな。俺もそう思う。ふーりんには幸せでいて欲しいし、ふーりんを幸せにするのは俺だったらいいなって思う」


 (いと)は自分の手を膝の間で組みながら、小さく続ける。


「でも、熱出したふーりんを助けたのは、(かなで)だったんだよな」

「え、(かなで)君って……フローラ・フローラの!?」

「おう。編入してきたって話聞かなかったか?」

「聞いたけど、まさかりんりんと仲が良かったなんて知らなかったよ」

「そっか。……あいつも、ふーりんのこと好きなんだよ。俺にとってはライバル……なんだけど」


 言葉尻が萎む。

 (いと)の脳裏に今朝の(かなで)の顔が蘇った。

 あの、泣いたような腫れた目の彼が。

 真正面からぶつからないと勝てないと、心のどこかでは理解している。なのに一方で、闇を抱えた彼を打ち負かしていいのかも分からなかった。

 どこか迷っているような(いと)の様子を見て、美琴(みこと)は首を傾げた。


「けど?」

「あいつ……なんていうか、何か抱えてんだよ。闇、みたいなの。今日もあいつ、朝見た時に目が腫れてて……何か悩んで苦しんでんだ。そんなあいつと対等にやりあっていいのか、まだ少し迷ってる」

「あまーい!!」


 美琴(みこと)(いと)に向かって、ビシッと指を突きつける。

 急に指をさされて、怯んだ(いと)は思わず少しのけぞった。


「な、なんだよ。甘いって……」

「そんな気持ちでいたら、(かなで)君に負けちゃうよ? 相手は国民的アイドルなんだから!」

「そ、それはそうだけど」

日和(ひより)君の気持ちは、優しさじゃなくて同情だよ! 心のどこかで、(かなで)君のこと「可哀そう」って見下してる! それって、恋のライバルとして本当にしていいことなの? すごく失礼だよ! りんりんのことを盗られたくないないなら、全力で(かなで)君にぶつかりなさい! じゃなきゃスーパーイケメンな(かなで)君には勝てないんだからね!」



 美琴(みこと)の言葉を聞き、(いと)はハッとして、小さく頷いた。


「……お前の言う通りだ。俺は、きっと……昔からずっと、冷たい笑顔のあいつのこと、心のどこかで見下してたんだ」


 (いと)の脳裏に、小学五年生の春に出た、最後のコンクールのことが呼び起される。

 あの日、自分の隣で最優秀賞の表彰状を受けた(かなで)の顔は、冷たい笑顔だった。それを見て、こいつは、本当はピアノが好きじゃないんだと……そう、見下していたのだ。俺の方が、ピアノを大事にしてる。なのに、勝てない。なんで……そうやって、ずっと、(いと)(かなで)に嫉妬していた。


「あいつ、ピアノがすごい上手くてさ。どのコンクールに出ても、俺はあいつに勝てなかった。そのくせ、あいつは表彰されても全然嬉しそうじゃなくて……そんなあいつを、見下してたよ。俺の方がピアノ好きなんだって。でも、今思うとさ、その見下しだって羨ましさの裏返しだったんだよな」


 ――そうだ。ライバルとして対等に見ていいのか分からないなんて言い訳だ。俺は(かなで)に嫉妬してたから……(かなで)が羨ましかったから、対等に見ようとしなかっただけだったんだ。ふーりんのことを本気で取られたくないと思うなら、あいつのことを見下してる場合じゃねえ。ちゃんと、真正面からぶつからないと。


 その事に気付いた(いと)は、美琴(みこと)にニッと笑う。


「もう、こんな気持ちでいるのはやめだ。俺は、俺の全部で(かなで)にぶつかる。そんで、ふーりんのこと幸せにすんのは俺なんだって、認めさせる。ありがとな、美琴(みこと)

「ううん。いいってことよ。りんりんと日和(ひより)君には、幸せでいて欲しいからね」


 美琴(みこと)は微笑みながら立ち上がる。フリースペースの時計は、もうすぐ十三時だ。あと少しで昼休みも終わる。教室に戻らなくては。


「じゃあ、教室戻ろうか」

「そうだな」


 (いと)も立ち上がり、フリースペースを出て行こうとしたその時だった。


美琴(みこと)先輩!!」


 フリースペースに、(ひびき)が駆け込んできたのだ。


「あれ、(ひびき)君。どうしたの、こんなところで」

「その王子様と、どんな関係なんすか!?」

「え? ああ……日和(ひより)君は、私の従姉妹の恋愛相手だよ」

「じゃあ、ダブルで浮気してるってことっすか!?」


 (ひびき)が涙目になる。それを見て、美琴(みこと)は慌てて首を横に振った。


「違う違う! 恋愛相談受けてただけ! ね、日和(ひより)君」

「おう。ふーりん……俺の好きな人のお見舞いに持ってく物を相談してただけだよ」

「そ、そうなんすか……? でも、学園の王子様ってすごくモテるんすよね? だから、女の人だってとっかえひっかえ……」

「ああ? んなわけねーだろ! 俺はふーりんと知り合ってからずっと、あいつ一筋だ!」


 真っ赤な顔で怒る(いと)を見て、(ひびき)はチラリと美琴(みこと)を確認する。すると、彼女は笑顔で頷いていた。どうやら、(いと)の言葉に嘘はないらしい。驚きのあまり、思わず目を丸くしてしまう。


「学園の王子様が、特定の誰かに一途なんて……」

「そんなに変なことでもねーだろ。大体、王子だ何だって、周りが勝手に言ってることだ。俺はふーりんの隣に立てればそれで良かったんだよ」

「そうなんすか……ご、誤解してたみたいで、すみません!」


 (ひびき)は勢いよく頭を下げる。それを見て、(いと)は鼻を鳴らした。


「大好きな美琴(みこと)が他人に盗られないか不安にならないように、もっと自信をつけることだな」

「自信……そんなの、俺には、ないっす」


 (ひびき)の表情が曇る。


「だって、俺……部活ではまだ先輩の足引っ張っちゃうし、勉強だってできないし……」


 俯きながらぼそぼそと呟く(ひびき)のことを見て、(いと)は溜息を吐きながら続けた。


「行動しなきゃつかねーよ、自信は。始めはなくて当たり前なんだ」


 (いと)の経験則だった。

 昔、ピアノを始めたばかり頃は、それこそ今の(ひびき)と同様に自信なんて無かった。(かなで)に打ち負かされることが続いた頃なんて、尚のこと自信を削がれていった。

 しかし、自分に一番自信が無かったのは、(りん)に出会う前の、ピアノを諦めて何もかも頑張れていなかった時だ。

 頑張らなければ、自信はつかない。行動しなければ、自信はつかない。(いと)はそのことを身に染みて理解していたのだ。

 

「だから、とりあえず胸張って歩け。ていうか、美琴(みこと)に好きって思われて、実際に付き合ってる時点でお前は十分いい奴だろ。他人からの好意を忘れんなよ」


 (いと)はそう言いながら、フリースペースを出ていった。(ひびき)はその後ろ姿に向かって、慌てて声を掛ける。


「あ、あの! ありがとうございます! 日和(ひより)先輩!」

「おーおー頑張れよ」


 振り返りもせずフリースペースから立ち去る(いと)を見て、(ひびき)は目を輝かせながら呟く。


「かっけえ……」


 そんな彼を見て、美琴(みこと)はクスッと笑った。


(ちょっと妬けちゃうなあ。……それにしても)


 先ほどの(いと)の言っていたことを思い返す。


 ——あいつも、ふーりんのこと好きなんだよ。


(かなで)君も、普通に恋するんだなあ)


 遠くに感じていた「フローラ・フローラの周防奏(すおうかなで)」が自分達と同じ高校生であることが分かって、ほんの少し不思議な気持ちになりながら、美琴(みこと)は中庭の赤い花を見つめていた。


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