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【4話-6】現代のねずみ小僧騒ぎで大パニック!

磔にされた十字架から起きると、山下が


「うちにねずみ小僧が出たらしいぞ」


と報告をしてきた。


あのあと無事に上司のデスクから書類は見つかったが、犯人を調べるためにデスクの指紋採取をしたところ、ニュースで見たのとまったく同じネズミの手形があったたらしい。おそらくテトの手が滑って、指の部分の指紋が異様に伸びて付いてしまったのだろう。


「じゃあ、警察に届けたのか?」


「会社が届けるわけないだろ!警察がきたら、ねずみ小僧なんか非じゃないウチのブラックな実態が明るみに出るだろうが」


「まぁ、それはそうだよな」


ガムテープでぐるぐるに磔にされている同僚の横で優雅にコーヒーブレイクをしながら話を続ける山下。入社直後に「お互いに頑張ろうぜ!」ときらきらした瞳で励まし合っていたのが懐かしい。昔は顔立ちも幼く、丸っこい大きな目を社会への期待で輝かせていた可愛らしい男だった…。今ではすっかり会社の異常事態に慣れてしまい、瘦せこけたシャープな顔立ちと、刑務所帰りのヤクザのように荒み切って鋭くなった目がドライな大人になってしまった。


「それは、そうと…なんだか罪人が増えている気がするんだが」


俺が横を見ると、そこには書類をテトに盗られた上司が白目を剥いて同じように十字架に磔にされていた。なぜか口の端からはプロテインらしき茶色の粉がこぼれている。


「自分のデスクに書類があったからな。社長から『探し物もまともにできないのか!全社員を巻き込んで、仕事を遅らせやがって!』と磔にされてプロテイン拷問を受けていた」


「なにその新手の拷問?!」


筋肉が増量するまでプロテインを飲ませ続けられるような拷問なのだろうか。水で溶かされていないところを見るに『人を苦しませる』という拷問の意義を発揮しているので、現代社会では案外メジャーなのかもしれない。


そして目の前には磔にされた二人の人間を背に、カタカタと必死にPCへと向かう社員の群れ。改めて、この会社は世間を代表するブラック企業だと痛感した。

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