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番外編3 また会う日まで…

白夜「はい、今回で番外編は終了です」


神威「クロさん、クロスオーバーさせていただいて本当に感謝しております」


由宇「また機会があればやりましょうね♪」



-優斗Side-


 カーテンから入りこむ朝日をあびてオレは目を覚ました。


優斗「ふぁ~~……」


 欠伸をしてから布団を出る。今オレがいるのは天野家の客室だ。

 カーテンを開けると綺麗な青空が見える。


優斗「うん、今日もいい天気だ!」


 オレは背伸びをしてまだ寝ている舞と姫神を起こさないように部屋を出た。


 リビングに行くと既に由宇さんと由香が朝食の準備をしていた。


由宇「あら、おはよう優斗君」


優斗「おはようございます、由宇さん」


 由宇さんと挨拶を交わし、洗面台で顔を洗う。

 部屋で着替えると再びリビングに戻る。


由香「あ、優斗さん!もう少し待っててね」


 由香が笑顔でそう言ってきた。何だか申し訳ない気持ちでオレは顔の前で両手を振った。


優斗「いやいや、とんでもないです。泊めてもらったんですから……」


由宇「優斗君は優しいのね…」


 オレは恥ずかしくなって視線をそらしながら頬をかいた。


神子『あなたは何だか周りを引き付けるような雰囲気があるわね…』


 いつの間にか由宇さんの横に神子さんがいた。神様にそう言ってもらえるのは嬉しいが……周りを引き付ける、か…… その力が不幸にも変態どもを呼び込む方向に向いているのではないか……と、オレは素直に喜べないのだった。


由宇「優斗君、二人を起こしてきてくれない?朝ご飯にしましょう」


優斗「わかりました」


 オレはそう言って客室に戻ると、まずは姫神を起こしにかかった。


優斗「姫神…朝だぞ~起きてくれ」


 オレは軽く姫神の肩を揺すった。


姫神「……ん………優斗さん……?」


 ゆっくりと目を開けた姫神はまだ眠そうに目を擦っている。そういえば姫神は朝が弱かったんだったか…?


優斗「よし、あとは舞だな!……舞~起きろ~!」


 同じように肩を揺すって起こそうとするが……


舞「……う~ん…………すーすー」


 起きないな。それならと頬をつつきながら少し大きめに声を出した。


優斗「舞!起きろー!朝だぞ!」


 だがそれは間違いだった、今思えばなぜ考えなかったのか……誰しも安眠を邪魔されたら不機嫌になるものだ、特に舞を不機嫌にさせたらどうなるかオレが一番知っていたはずなのに…


舞「……う~ん……うるさあぁい!!」


パァン!!


優斗「ぐはぁ!!」


 姫神曰くそれはもう見事な平手打ちだったらしい……










-由宇Side-


 舞ちゃんの叫びと見事なまでの平手打ちの音が家の中に響いた。同時に少しだけ開いたドアから優斗君が吹っ飛んできた。


優斗「……そこ…まで……しなく…て…も…」


 赤くなった頬を押さえながら彼は呟いた。


 私の隣で神子がビクッと体を震わせたのが見えた。


神子『…どうもあの子は苦手だわ』


 そんな神子に私は苦笑いを浮かべるしかなかった。


舞「……まったく、人の安眠を邪魔して……あ、おはようございます!お姉様」


 今だに舞ちゃんは私をお姉様と呼びたがる。私としてはかなり恥ずかしいのだが……


由宇「おはよう、舞ちゃん。朝から元気があるわね」


 私が笑顔で言うと舞ちゃんはそれなりに嬉しそうだった。


姫神「…あ、おはようございます」


 遅れて姫ちゃんも入ってきた。昨日よりはだいぶ私達に対してね態度が友好的になっている。


由宇「おはよう、姫ちゃん。よく眠れた?」


 私がそう言うと確かに頷いた。それはよかったと安心していると床に倒れていた優斗君も起き上がり、神威も起きてきたので皆で朝食を食べることにした。


 さて、今日は何をしようか……










-優斗Side-



 料理とは不思議なもので、自分が毎日作ったものと少しでも違うと違和感を覚えるものだ……だが、今日の朝食はとてもおいしかった。なんというか暖かいのだ。最後にこんな家族みたいな雰囲気で食事をしたのはいつだったか……なんだか良いことありそうだ。


由香「あれ?優斗さんの携帯鳴ってるよ?」


優斗「…え?」

 オレはテレビの台に乗せられた自分の携帯をみる。確かに光っている…そして…見てしまった…今最も話したくない人の名前が表示されているのを


-橘先生-


ガタンッ!


 オレは椅子ごと倒れる程の衝撃を受けたような錯覚に襲われながらも急いで電話に出る。


優斗「もしもし…」


橘『…おそいわよ』


 相変わらずひどいな……いや、もう慣れましたけどね…


橘『まぁいいわ。それより今すぐに科学室に……』


優斗「あの……」


橘『何?口答えする気なの?』


優斗「そうじゃなくて…」


 オレは今の状況を話した。


橘『…ふーん、成る程ね。それにしてもあんた達何考えてんのよ。また学校抜け出して』


優斗「それは作者の陰謀…げふん、げふん……すいません 」

橘『さっさと電車乗って帰ってきなさい。今すぐに』


優斗「でも、電車が二日に一本しかないんですよ」


橘『はぁ?あんたちゃんと時刻表見たの?今日も一本あるじゃないの』


 はい?今日も電車がある?


優斗「本当ですか!先生!」


橘『私を誰だと思ってるの?午後3時ジャストのがあるらしいからそれに乗って帰ってきなさい…じゃないと どうなっても知らないわよ?』


 不吉な言葉を残し電話はきれた。


 その後皆に状況を話して今日は駅周辺で買い物をする事にした。


 午前中は主にゲームセンターで時間を潰して、午後から服を買いにいくことになった。










-由宇Side-



 昼食を食べた後、私達は服を買うために駅前の大通りに来ている。


 早速舞ちゃんが優斗君を捕まえてマニアックな服がある店に引っ張っていったけど……


優斗「いやだあああああああああ!!」


 どうやら今回も弄られているようだ、優斗君頑張って!


 神威と由香は別に欲しい物があるらしくて先程別れたばかりだ。


由宇「ねぇ、姫ちゃん。あの二人はいつもあんなかんじなの?」


 私は店から出てきた舞ちゃんと優斗君を見ながら尋ねる。


姫神「……はい、そうですね……」


 姫ちゃんも何と言えばいいのか…というかんじで二人を見ている。


由宇「仲がいいのね…羨ましいわ」


 私と姫ちゃんは自然に笑いあった。


舞「ただいま!…ってどうしたの?二人とも、にやにやして」


由宇「何でもないわ…ね?姫ちゃん」


姫神「…はい」


 私達が笑うと二人は首を傾げていた。


由宇「さて、次はどこに……」


女性「きゃああああああ!!泥棒!!誰かその人捕まえて!!」


 少し離れた場所で若い女性が叫んでいた。その横をサングラスをして帽子を深く被った男がバックを片手にこちらに走ってくる。


 私はすぐに駆け出した。










-優斗Side-



 女性の叫び声が聞こえた瞬間に由宇さんが駆け出した。長い白髪のポニーテールを揺らしながら姿勢を低くして男に近づいていく。


由宇「やあっ!!」


 掛け声と同時に男の足元を払いのけた。男は見事にバランスを崩して倒れ……なかった!


 なんと、運よく綺麗に体が回転して流れるように立ち上がると再び走りだした…オレ達の方に。


男「どけ!ガキども!」


ブチッ


 ああ、言ってしまった。禁断の言葉を…今一番言ってはならないことを…


舞「…誰が」


ガシッ


 あれれ?舞さん?なんでオレを掴むのかな?


舞「ガキだああああああ!!ふざけんなよごらあああああああああ!!」


優斗「にゃあああああああああ!?」


 舞は叫ぶと同時に男に向かってオレをぶん投げた。


 まるで剛速球のように打ち出されたオレはバックを持っていた左手に激突した。痛かったが咄嗟に爪で手を引っかいて痛がっている隙にバックを奪い取った。


 そして素早く男から離れると舞と由宇さんが同時に男に駆け出して…


舞「うりゃああああああああ!!」


由宇「はあああああああああ!!」


 舞の回し蹴りと由宇さんの肘打ちが見事に男に炸裂し、男はその場に崩れ落ちた……死んだんじゃないか?あれは…


 周囲から拍手が湧き起こる。


 オレ達は女性に何度もお礼を言われてその場を後にした。



 それから丁度時間もなくなりオレ達は駅のホームに集まっていた。


優斗「色々とお世話になりました」


舞「最後まで迷惑かけてすいません…」


姫神「……ありがとう…ございました」


 オレ達三人はそれぞれ頭を下げながらお礼を言った。


由宇「いいのよ、なんだか楽しかったしね♪」


由香「また遊びに来て下さいね!」


神威「いつでも歓迎するぞ」


神子『また会いましょう』


 それぞれの別れの言葉を聞き、オレ達は電車に乗り込んだ。










-由宇Side-



 電車がゆっくり動き出す。私達は窓から見える彼等に見えなくなるまで手を振った。


由宇「また、会う日まで…」


 私はそう呟いた。すると神子がとんでもないことを言った。


神子『でもあの電車って一つさきの街までの直通だから途中で止まらないのよねぇ』


三人「「「…え?」」」










-優斗Side-



三人「「「…………………」」」


 あれあれ?おかしいな…あの別れ方でこんなオチですか?……うふふ、おかしいな目からしょっぱい水が………


舞&優斗「ここはどこだあああああああああああ!!」


姫神「………」


 結局オレ達が帰り着いたのは夜遅くになってからだった。








-完-

白夜「いや~なんかここまでコメディーみたいな感じで書いたの久しぶりだなぁ…」


由宇「本編は絶賛シリアスモード中だからね」


神威「そろそろコメディーをいれていいんじゃないか?」


白夜「そうします。クロさん!今回はキャラの提供ありがとうございました。またいつかやりましょうね!」

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