番外編1 まさかの遭遇
白夜「はい!皆さんこんにちは、白夜です!」
神威「神威です」
由宇「由宇です」
白「えー、実は今回は番外編としてクロさんの“un?happy life”とのクロスが実現しました!」
神「クロさん本当にありがとうございます!」
由「まさか本当に実現するなんてね…やってみるものね…」
白「そういうわけで楽しくやっていきましょう!」
爽やかな朝を迎えて由宇はゆっくりと目を開ける。
「……ん…朝か…」
欠伸をしながら階段を下りて洗面台に向かうと神威がいた。
「…ん?…ああ、由宇おはよう」
「おはよう、神威」
今日は土曜日であり学校は休み、更に月曜日が祝日なので三連休なのだ。全国の学生が幸せな三日間をおくるだろう。
「そういえば、由宇は今日何をするんだ?」
神威が顔を洗いながら由宇に尋ねる。
「う~ん…そうね、そろそろ食材補充しないといけないわね」
「じゃあ、商店街まで買い物だな」
二人は今後の予定を確認しながらリビングに入っていった。
…二時間後、とある場所にて。
-優斗Side-
「はぁ……はぁ……ぜぇ……ぜぇ……」
街のある一角を少女が走っていた。真っ白な髪と真っ白な肌をしてくりくりとした目をした見た目は小学生くらいの少女だ。
季節に合わないニット帽をかぶり、半袖のシャツを着てジーンズをはいている。
オレは大島優斗
現在ひたすら全力疾走中である。なぜかって?…わかった、説明しよう。だがその前に一つ言わせてくれ……
「なんでこうなったあああああああああ!!!」
優斗の後ろを何人もの集団が追いかけていた。
-回想-
「えっと……ここは……どこだ?」
オレは首を傾げながら隣にいる舞を見上げた。
現在オレ達はどこかの街の駅の出入口で立ち止まっていた。
オレが話しかけたのはは音無舞、オレの幼なじみだ。
「わからないわね………姫ちゃんわかる?」
今、姫ちゃんと呼ばれたのが姫神麻衣、オレと舞の友達だ。
「……えっと……たぶん…電車を乗り間違えたんじゃ…」
オレ達三人はしばらくその場に立ち尽くした。
オレ達はいつかのように学園を抜け出して隣街に行こうと電車に乗り見事に三人とも居眠りをしてしまい、気がついたら知らない駅だったのだ。
(彼等の詳しいプロフィールはクロさんが執筆されている小説“un?happy life”をご覧ください)
「あれ?今なんか聞こえたような…」
「優斗!何してんの?置いていくわよ!」
オレは慌てて歩き出していた二人を追いかけた。
その後、駅の掲示板でオレ達の街を探した。
「……あの」
姫神が恐る恐る掲示板の時刻表を指差した。
「………」
「………」
「………」
オレ達三人は声がでなかった……だって、次の電車は二日後、つまり月曜日だったから………
「………えっと、これからどうする?」
オレ達は駅前のベンチに座り、今後のことを話し合うことにした。
「そうね、電車がないんだったらバスで帰れないかしら?」
舞の横で姫神がバスのパンフレットに目を通していた。
「………だめです……そっちの方角に行く…バスは…ないです…」
「…じゃあタクシーで…」
「…たぶん金が足りないな」
オレの言葉がとどめになったのか舞はがっくり俯いた。
オレはニット帽をとって頭をかきながら言った。
「仕方ないさ、二日はどこか安いビジネスホテルみたいな所にでも泊まって………」
そこまで言った瞬間オレの背中をゾクリとした感覚が通り抜けた。
「……あっ!…優斗さん!……帽子とったら駄目です!」
気がついた姫神が慌てて注意してくれたが遅かった。
「「「「「…………………………………………」」」」」
ええ、そりゃもう沢山の人に見られてましたよ、はい。
「………い、いやだあああああああああああああ!!」
「「「きゃああああああああああああああああ」」」
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおお」」」
オレはニット帽をかぶり直して全力で駆け出した。
-回想終了-
-優斗Side-
「はぁ……はぁ……なんとか……まいた……かな……」
オレが今いるのはどこかの公園の隅にある林だった。
「はぁ……疲れた」
舞と姫神に連絡しなければ……と携帯を開くと………電池切れだった…
「おいおい……オレ完璧に迷子じゃないか…」
そもそもなんで違う街まで来て追いかけまわせれなければならんのか…ゴッドよ、オレが何かあなたにしましたか?
途方に暮れていると公園のベンチに誰か座っているのが見えた。
恐る恐る覗いてみる…いや、別に怪しい意味じゃないからな?
「~~~~♪♪」
そこにいたのは鼻歌を歌いながら猫達と戯れている少女だった。
それだけならまだ普通だ。しかしオレは驚いた。
その少女はオレと同じ真っ白な髪をポニーテールにしていた。半袖のシャツから見える腕は細く雪のように白い。
スタイルも姫神と同じくらいにいい。何より瞳が印象的だ。左目が真紅、右目が蒼のオッドアイだった。
彼女の周りには沢山の猫が集まっていた。オレはなぜかフラフラと足が勝手に動き、その少女に近づいた。
-由宇Side-
買い物の帰り道に私は公園のベンチで一休みしていた。
『今日はいい天気ね』
神子の言葉に私は頷く
「そうね、帰ったら洗濯物を干さなきゃ…神威か由香がやってくれてればればいいけど」
私は空を眺めながら自然と鼻歌を歌っていた。
気がつくと周りに野良猫が沢山集まっていた。神子の気配につられたのだろうか。
すると公園の隅から少女が歩いてきた。小学生くらいの可愛い少女だ。
「………」
少女はずっと私を見つめたまま何も言わなかった。
「……私に何か用かしら?」
あまりにもその顔が可愛かったので、私は声をかけた。
「………へ?あれ?オレ…何してたんだ?」
ハッとしてキョロキョロしているしぐさまで可愛くて私は思わず笑ってしまった。
それに気づいた少女は顔を赤くした。
真っ白な髪が風に揺れる。
…白い髪か…
私は小声で神子に話しかけた。
「この子、契約者じゃないわよね?」
『ええ、違うわ。この子からは何も感じない……ただ』
「……ただ?」
『普通の人間とも少し違うわね…』
私は少し考えると少女に話しかけた。
-優斗Side-
オレと話していた少女は少し考えるようなしぐさをしたり小声でぶつぶつと何か呟いた。
しかし普通は変に思う行動も何だか綺麗に見えてしまうから不思議だ……なんでだろう?
「ねぇ……あなたの名前は」
名前をきかれた、オレは思わず普通に答えてしまった。
「大島優斗です………あっ」
ヤバい!普通に言っちゃった!ヤバすぎる!Ya・Ba・i!うん、落ち着こうかオレ!
「大島優斗…男の子みたいな名前だね……まぁいいか、私は天野由宇よ、よろしくね」
あれ?なんかすんなり納得してくれましたよ?……一応助かった…のか?
しかし由宇さん、その笑顔は殺人的に強力です、はい。
「それで?あなたはここで何をしてるの?」
オレは一応今日のいきさつを話した。勿論ちゃんとオレのことは隠してますよ?
「成る程ね……」
そう言うと由宇さんはしばらく黙って考えるとにっこり笑った。
「じゃあ、家にこない?携帯の充電もできるし、よければ家に泊まってもいいわよ?」
わ~お、なんて優しい方なんでしょうね。この人は…でも泊まるのは流石にオレの正体がばれる可能性が……
「それに、あなた……人に言えない秘密があるでしょ?」
……はい?今なんといいました?この人
「やっぱりね…安心しなさい、私は誰にも言わないわよ」
オレは雷にうたれたようにその場で固まった。
オレの正体を知っている?なぜ?Why?
「う~ん、とりあえず私の家に行かない?そこで話すから」
由宇さんはそう言って手を差し延べてきた。オレはその手をとった。不思議と恐怖や拒絶は抱かなかった。
白夜「まずは最初の話が終わりました」
由宇「優斗君って実際見ると本当に可愛いわよ?」
白「なに!そうなのか?私は実際には見れないからな…羨ましい」
由「クロさんにイラスト描いてもらったら?」
白「さすがにそこまでは失礼だろう…私も由宇達のイラストは描いてますが、残念ながら載せかたがわからないのです」
由「誰か教えてくださると助かります」
白「では、次回をお楽しみに~」