表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/34

第13話 由宇&昴の暴走

こんにちは(゜▽゜)/

 この前初めて感想をいただきました!本当にありがとうございます!嬉しかったです!

 これからもご意見、ご感想お待ちしております!作者である私への質問でもいいですよ!

今回の話ははちょっとふざけてみました。では本編へどうぞ

 色々と忙しかったあの事件(私個人的には思い出したくないが)から一週間がたち、学校も再開されていつもどうりの授業が開始される。そんな中で私はため息をつきながら窓の外を眺めていた。


「‥‥‥由宇」


 私はビクリと肩を震わせて声の主を見た。声の主‥つまり昴なのだが最近私が窓の外ばかりを見ているので心配しているようだ。


「‥‥大丈夫だよ、私は平気だから」


 私は昴に笑いかけるとわざと髪をかきあげる。

 もうすぐ夏休みだからということで由宇達のクラスはいつもより騒がしく、さらに夏休み中にクラス全員で海に行こうとまで言い出す者までいた。


「‥はぁ、何処からそんな元気が出てくるのかしら‥」


 由宇はぽつりと呟いた。基本的に由宇は“神威”であった時から夏が苦手なのだ。もともと暑がりであり、さらに昔海で溺れてからというものまるで夏は自分の天敵だといわんばかりの勢いである。


「‥‥由宇、次体育だよ?」


 必要最低限な音量と台詞で昴が私にそっと告げる。

 そう、昼休みを終えた次の5時間目は体育、季節からも想像できるだろうが内容は水泳である。


「そっか、じゃあ私達はいつもどうり見学だね」


 私達は水泳の時間はいつも見学なのだ。理由は簡単。なぜなら自分でも忘れかけていたが私達は少し猫としての習性がある。早い話水が怖いのだ。


「‥‥‥‥」


 昴が若干申し訳なさそうに私を見ている。それもそうだろう、私は一回目のプールの授業に昴に殺されかけているのだから‥‥







『二週間前』






 そう、あの葵が刺される前の週のことだった。今日から水泳の授業が始まるということで皆もワクワクしているようなテンションだが私と昴はどうしても気分がのらなかった。その理由は二人とも夏という季節が嫌いだからなのだが授業ならば仕方ない。プールサイドに集合しいよいよ今から入ろうといった雰囲気となったその時


「‥‥!?」


 私はプールの水面に足を片方入れようと した瞬間に固まっていた。


‥‥なぜだろう、水泳そのものは嫌いじゃない、なのに体がこれ以上先に進むのを拒んでいた。


「‥‥あれ?‥‥何で?」


その時体がカタカタと震えていることに気がついた。水に入るのを体が全力で拒否する。


「‥‥由宇?」


遅れて来た昴が心配そうに声をかけてきた。


「ニャア!?」


思わず変な声を上げてしまった。


「‥‥?‥早くしないと」


昴はあろうことか私を軽くトンと押す。


「‥‥へ?」


 私はプールの水面に向かってダイブしていた。周りの景色がスローになる。


「ニャアアァァァ!!!??」


 私はプールに落ちると体験したことのない恐怖に襲われた。そして足がつくはずなのに溺れたような錯覚に襲われ混乱した私は頭の中が真っ白になっていた。


「‥‥え?」


 昴がキョトンとした顔になったと思ったらすぐにハッとなり急いで助けようとプールに入ろうとするが昴もまた体が固まったように動かなかった。


「‥‥?」


 私はこの時昴の顔が真っ青になっているのを見た気がしたがそれどころではなかった。私に気がついた先生によって何とかプールを脱出した私は全力でプールから離れていた。

 それから私は保健室に運ばれてしばらく震えながらぶつぶつと何かを繰り返し呟いていたらしいがよく覚えていない。





現在



あれからというものプールの時間が嫌いになり、先生には水恐怖症だという嘘 (あながち嘘ではないが)をいっておいたのでプールの授業は全て見学となったのだ。 さらに、あの時の可愛らしい叫びはクラスの全員が聞いていたためしばらく女子からはからかわれ続けた。


(我ながら不覚だったわ‥でも、怖いものは怖いのよねぇ)


私は学校が終わったら葵に愚痴を聞いてもらおうと心の中で決めた。


(早く放課後にならないかなぁ‥)









 放課後、昴と病院 に来た私は葵のいる病室に入ろうとすると中から由香の声がした。


「‥‥由香?」


 昴が少し嬉しそうな顔をした。由香は昴にだいぶ懐いていて「お姉ちゃんが増えたみたい」と言っていた。昴も由香に本当の妹みたいに接しているので由宇からすれば微笑ましいことであった。

私はドアを開けて中に入ると二人が何か企んだような顔で私と昴を見ていた。


「いらっしゃい由宇!由香ちゃんから色々話を聞いてたのよ♪」


「‥何の話?由香、変なこと葵に吹き込んだんじゃないわよね?」


 私が由香の方を見ると由香は笑顔で何かを取り出した。


「私はただお姉ちゃんが大好きな物を葵さんに教えただけだよ♪」


私は紙袋から出てきた物を見た。‥‥見てしまった。そうそれは‥‥ “ねこじゃらし”だった。「‥‥‥‥」


 私はそれを見た瞬間手に持っていた鞄を床に落とした。


「‥‥ああ‥‥だ、駄目‥‥それだけは‥‥」


 由宇はとろんとした目で、しかも頬を少し赤くしながら少しずつだが前に歩き出している。

 それを見ている葵は思わず一言、


「‥‥可愛い~」


 と呟いた。由宇はふりふり揺れるねこじゃらしをじっと眺めていたが。突然、


「‥‥も‥もうだめ」


 と呟いた瞬間、耳と尻尾がピョンと現れて勢いよく由香に向かって飛び掛かった。由香はそれをさっと避けるとまるで闘牛のマントのようにねこじゃらしを揺らした。


「ニャア!ニャア!」

 由宇はもはや完全な猫といってもいいぐらいねこじゃらしに夢中になっていた。


「‥‥はぁ」


 葵が由香と由宇が部屋の隅で戦っている(というか由宇が遊ばれているだけなのだが)のを眺めていると、昴は呆れた様な顔をしてため息をついて月に話かけていた。


『‥‥由宇はもう少し自分を抑える訓練が必要‥』

『あはは♪でも見ていて飽きないじゃない♪お姉ちゃんは苦笑いだけど』


 結局そのまましばらく遊ばれた由宇は帰り道で顔を真っ赤にして俯いたままだった。








 それから一週間後、由宇が力を使ってサポートしたこともあって無事に葵は退院した。そして葵の家でお祝いパーティーを開くことになった。


「みんな、わざわざパーティーを開いてくれてありがとう!凄く嬉しいよ!」


 葵は部屋を見渡す。今部屋には葵、陸、由宇、昴、光、由香の六人が集まっている。


「無事に退院できてよかったね」


 由宇が笑顔で葵を見ると葵は恥ずかしそうに顔を赤らめた。


「そ、そうだ!私、お見舞いに来てくれたみんなにお礼を渡したいの」


 葵は紙袋を一人ずつ配った。由宇と昴の袋だけ中に二つの物が入っているようだった。


「そんなに気をつけてもらわなくてもよかったのに」


 由宇は何だか申し訳なさそうな顔をしていた。昴も頷いている。


「いいのよ。それよりも由宇と昴は今開けてみて♪」


 由宇と昴が袋を開けると中には一冊のアルバムと小さい箱が入っていた。


「あ、アルバムから見てね」


 由宇がページを開くとそこには由宇として葵に会ってからの写真がおさめられていた。自然と笑顔になるような写真ばかりだ。


「葵、ありがとう」


 由宇は笑顔で葵にお礼を言うと葵も笑顔だった。


「葵、この小さい箱は?」


 由宇が小さい箱を手に取ると葵がニヤリと笑った。


「ふふ、いいものだよ~♪私が出してあげるから由宇と昴は目を閉じて?」


 由宇と昴はお互いを一度見合うと目を閉じた。葵が箱から木の枝のような物を出すと二人の鼻のそばに近づけた。

 そう、それは“またたび”由宇はすぐに顔が赤くなりぽけ~っとした顔になった。目を開けた由宇は若干涙目で瞳が潤んでいる。


「‥‥あれ?何だろ~、何だかフワフワする~」


 由宇は完全に酔っ払っているようで足元もふらふらしている。


「‥‥やっぱり、可愛いわね~」


 葵は満足そうな笑顔作って由香を見ると由香は親指を立ててよくやった、と目で語っていた。

 由宇はふらふらした足どりで昴に近づくと


「昴~何だかいい気分だよ~‥‥昴?」


 昴の様子がおかしいのに気がついた。俯いたまま動かない。由宇は屈んで下から昴を見上げる。


「昴~?どうした‥‥の?」


 今度は由宇が固まった。他の皆もどうしたのかと心配になっていると昴が顔を上げた。

 その時の昴は今まで見たこともないくらいの‥‥笑顔だった。



 皆が驚きで固まっている。普段全く笑わない昴が極上のスマイルを浮かべている。

 昴は再び視線を下に下ろすと由宇を見つめる。そして突然信じられないことを言った。


「由宇‥上目遣いとはな‥‥私を誘っているのか?」


 昴はしゃがむと由宇と同じ視線になった。由宇は笑顔の昴に見とれてしまったのかぽかんとしている。


「ふふ‥‥可愛いじゃないか」


 突然昴は由宇の肩を掴んだ。


「‥‥へ?」


 由宇が酔って赤い顔のまま昴を見つめていると‥‥


「‥昴?どうした‥‥んっ!?」


 昴は由宇の唇に自分の唇を重ねた。


「~~~!!??」


 周りの皆は呆気にとられたように固まった。昴は由宇を立たせると


「葵‥‥隣の部屋を借りるぞ?」


 と言った。葵は慌てて止めに入る。


「ま‥待って!それは駄目だよ!‥それよりも昴どうしたの!?まさか酔っ払ってるんじゃ‥」


「誰にも邪魔はさせない」


 そう言った昴は由宇をお姫様抱っこした。長い黒髪の少女が自分より高い身長の少女をお姫様抱っこしている様子は何とも奇妙だった。


「さぁ、行くわよ?由宇」


「待って!それ以上は駄目だってば!由宇も何とか言ってよ!」


 葵は急いで由宇に昴を説得するように進めようとする。しかし、由宇は


「‥‥ほえ~~」


 完全に昴を見てとろんとした目をしている。さらにはとんでもない爆弾発言をした。


「‥‥昴‥好きに‥して‥いいよ?優しくしてね?」


 と言った。それを聞いた葵は顔を真っ赤にして唖然とした表情で固まってしまった。

 結局陸と光が何とか二人を止めてことなきをえたのだった。

 次の日、二人から昨夜のことは覚えていないと聞いた葵はもうこの二人には絶対に酒やまたたびを禁止することを心に誓ったのだった。

白夜「ヤッホー、皆元気かい?白夜だよ!」

由宇「うるさい!二日酔いで頭痛いから静かにして!」

昴「‥‥」

白夜「ご、ごめんなさい」

光「あなたも災難ですね」

白夜「そうなんだよ光~助けてくれ~」

光「お断りします」

白夜「即答!?あんたは鬼ですか!?」

光「うるさいですよ。静かにしてください」

白夜「何で俺ってこんなに扱いが酷いの?作者なのに」

光「作者だからこそです」

白夜「うわあああああああああん」

光「では、次回をお楽しみに」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ