プロローグ 雨の中で…
白夜です。少々修正をしました。
その日は酷い雨が降っていた。季節は梅雨、一日中降る雨は人々を憂鬱にさせる。
その空を窓から一日中眺める少年がいた。
彼の名は「天野神威」(あまのかむい)18歳。
綺麗でさらさらとした黒髪は肩よりも少し高い位置にあり、整った顔立ち、いわゆる美男子といってもいい。
「‥‥‥‥」
神威はただ黙って窓から空を見ていた。
「はぁ‥‥何か面白い事でも起きないかな‥‥」
ふと声がした方を振り返る。そこにいるのは神威と同じく綺麗な黒髪をポニーテールに結び寝転びながら漫画を読んでいる妹、
「天野由香」(あまのゆか、)
16歳
がいた。
「ねぇ‥‥お兄ちゃん、暇だよ‥」
と由香は足をバタバタさせる。
「‥そうだな」
とため息をつきながら神威は空を再び見上げた。
彼ら兄妹は神威が8歳、由香が6歳の時両親を事故でなくし、二人暮らしだった。しかし、近所の人達に支えられて今まで生活してきた。
「‥‥(そういえば夕飯の材料がなかったな)」
神威は立ち上がって妹に買い出しに行く事を告げ、家を出た。雨は止む気配がない。
家から15分の所にある商店街につくと、神威はふと小物を扱う店の前にあった鏡を見た。普通に見れば美男子と呼ばれそうな顔立ちだが一つおかしい部分があった。
それは、目の色だった。左目はまるで燃えるような真紅の瞳であり、右目は透き通るような蒼い瞳だった。
妹の由香は髪と同じ黒い目だったが、神威は生れつきこうだった。
「うおっ!!やべぇ!!ボーッとしてた!!」
いつの間にか20分位鏡を見ていた。慌てて先を急ごうとした時、不意に視界の端に白い何かが見えた。
「‥ん?今何か?」
そう思って下を見下ろすと、
「みゃ~~‥‥」
一匹の猫がいた。白い綺麗な毛並みで思わず見とれていた神威だったが、ふと気がついた。
「‥‥尻尾が二本ある!!」
そう、この猫には尻尾が二本あった。さらに、
「‥‥目が‥」
神威は驚いた。なんとその猫の目は神威と同じ、左目が真紅の瞳で右目が蒼い瞳をしていたのだ。
どうも、白夜です。少しおかしな部分を訂正しました。読みやすくなっていたらいいなと思います。