絶望の底の底まで追い込んでやるよ。
〈…ここらへんのはずなんだが…雪が降っていてよく見えないな…地上部隊?そっちはどうだ?〉
《はい。こちら地上部隊。徐々に目的地に近づいております。》
〈ならいい。目的地に到着し次第包囲を開始してくれ。〉
《任せてください。》
《こちら地上部隊。目的地周辺に到着。これより包囲を開始します。》
〈了解。こちらも目的地まで残り5分ほどで着く見込みだ。それまで待っていてくれ。〉
《了解です。》
〈よし。目的地上空に到着。これより作戦を開始する!〉
《了解です!》
《なるべく音を立てるな!発見し次第容赦なく発砲しろ!逃げた跡があったら追いかけてやれ!》
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《建物内に人がいた痕跡が認められます。逃げたような痕跡は見つかりません。》
〈了解。こちら飛行部隊。これより爆撃を開始する。〉
《了解です。軍を撤退させます。》
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「わっ!?…んに?ん〜よいしょ。あまり気持ちよくない目覚め。まずいことになったね。私は今地下にいる。でも、もしそれがバレたら?正面衝突は不可避だよね。しっかし、万が一のために別の建物から地下に行っといて良かったね。雪も降らせといたし。時間稼ぎにはなってるかな?でも今は下手には動けないよね。…どうしよ。」
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〈このままこの街ごと焼き払ってもいいが…どうする?〉
《まだ調査は続けましょう。こんな大胆な行動をすれば、あちらもきっと気づいている。ならばきっと何か行動を起こしてくるはずです。もっとも、死んでいれば何も起こらないのですが。》
〈了解。調査を継続。怪しい場所があったらすぐ突入せず、応援が来るのを待っていてくれ。〉
《了解です。》
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《こちら地上部隊。地下に繋がる謎の階段を発見。応援要請を希望します。》
〈了解。ただいま応援を呼んでいるところだ。30分ほど待っていてくれ。航空部隊が送り届けに来るからな。〉
《了解です。》
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「はあ…よし。最悪の状況まで想定してルートを建てた。きっとこのルートは間違ってない。これならどんなことが起こってもなんとかなるはず。まだ凍らせるわけにはいかない。凍らせたら生きてることがバレちゃう。できれば死んでることにしてほしい。」
「…よし。」
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〈応援到着。これより波状攻撃を行う。〉
《了解です。まずは偵察隊を送ります。》
《さあ。正面衝突と行こうじゃないか。
「やっぱりこうなるよね。さあ、いくよ。
《「絶望の底の底まで追い込んでやるよ。」》
「おもしろくなってきたじゃん。私の力を思い知らせるいい機会じゃない?」
《いいか?凍った死体があれば、蹴り飛ばして進め!階段は小さいが、方面は多い。根比べと行こうじゃないか!こちらの軍が尽きるのが先か、あちらの体力が尽きるのが先かのなあ!》
《行くぞ!4方面作戦を強いろ!確実に一歩ずつ浸透しろ!》
「悪いけど、あっちのやり方に付き合うつもりはない。」
「一撃で決める。」
「雪原に咲き誇る希望の花よ。隠し持ったその絶望を解き放て。世界に咲き誇る孤独の花よ。世界中にその茨を開花せよ。魅せろ、神秘なる暗黒を!深淵の花園を!
『氷盤、花綸!』
〈!?こちら飛行部隊!地上で氷柱のようなものを確認!そちらは!?〉
《こちら地上部隊!地下を中心に大量の氷柱が発生!発生時に多くの人員が氷柱に刺され死亡!地下への突入は危険!撤退を要求します!》
〈…ふざけんなよ…!策を練っても練っても結局意味がない…!こんなの…どうしろって言うんだよ…!?〉
〈…撤退を容認する。ただし、空中での偵察、および爆撃は続ける。素早く撤退しろ。今から早速除去のため一発落とす。〉
《了解です…。》
「どう?今までの人生でしっかり体を鍛えた屈強な兵士が、命を捨てているのに。結局何も状況は変わらなかった。…無駄な犠牲ってやつ。いい?戦争による死者は、平和のためには無駄な犠牲でしかない。戦争のために犠牲になった人々は、勝てばまた新たな犠牲者が生まれ、負ければただの犠牲者に。それで浮かばれるとでも?私は無駄な犠牲を減らすために、絶望の底の底まで落としてあげないといけないの。だからきっとまだ続くさ。私がこの世界を平和に導くその日まで…ね。」
2日目の成果
5000平方kmほどを氷に変えた。
ルート変更に成功。
軍の上層部にトラウマを植え付けた。
新奥義、『氷盤、花綸』
『氷盤』シリーズの『花綸』です。奥義は基本『氷結』か『氷盤』です。『氷結』は凍らせる系奥義。『氷盤』は氷を生成させる系奥義。という区分分けです。今回の詠唱にもちゃんと意味があるので、わかったら教えてください。