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8、 聖なる祝祭 〜

 今日は、待ちに待った“聖なる祝祭“です。このお祭りは、“聖なる森“が起源で、街の北側を囲う様に広がる森―― この森が“聖なる森“と言われる由縁は、この世界には、浄化の木と言う穢れを浄化する木が存在する。この森の殆どの樹木が、この浄化の木であるから、空気が清らかに澄んでいて昔の人は、“此処はまるで、聖地のようだ。“と言い始めいつからか、“聖なる森“と呼ばれるようになりました。


 大通りや広場には、屋台が軒を連ねている。観光客なども、沢山訪れて活気があり賑やかだ。

 どんな物が売っているのかなぁ? 楽しみ〜


 レフティアとルフスに、出会った日から、一週間経った。毎朝2匹に、水をあげて昼間は、鉢植えごと2匹を日当たりの良い場所に、出してあげるのが日課になった。2匹は、今日も気持ち良さそうに、微睡んでいる。


 この一週間の間に、2回治癒草の採取に行き、買い取りをして貰い少し稼いだ。それぞれ、治癒草25束と30束買い取り額は、1,250リラに1,500リラ最初に採取した買い取り額と合わせて、合計4,750リラ 大銅貨4枚に、銅貨7枚、青銅貨5枚。


 何の屋台があるかなぁ〜。一つは、買う物が決まっている。この祭りの日だけに販売される“月星花の糖蜜漬け“ 聖なる森で、月光が差している時だけ咲く花、“月星花“を糖蜜で漬け込んだお茶請け。見た目も神秘的な淡い銀の輝きを発している。

 あの日目にした、月星花の花畑をこれから先、一生忘れる事はない。あの日から、わたしの生きる世界が変わったのだから――


 まず先に、月星花の糖蜜漬けを売ってる屋台を探さないと―― 通りを歩きながら、目当ての屋台を探す。街の東西南北の大通りが、交わる中央広場で目当ての糖蜜漬けを発見!! 1瓶 1,000リラ大銅貨1枚の値札 ……うわー……お高いんですねー……

 それでも、迷わずに大銅貨1枚払い、1瓶購入しました。

 結構歩いたから、屋台でお昼ご飯を買おうかなぁ〜ちょうど、広場には、ベンチなどが数多くある。

 串焼きの美味しそうな匂いに、誘われて1本買う。お値段30リラ青銅貨3枚、飲み物に林檎水1杯お値段20リラ青銅貨2枚。

 近くのベンチに座り、串焼きに齧り付く―― わぁわ〜 おいし〜 このお肉は、暴れ鶏と呼ばれてる“魔物“のもも肉を、串に刺しタレに漬けながら焼いた料理。地球の焼き鳥に少し似ている。ネギマが、食べたい〜 玉ねぎに似た野菜はあったけど、長ネギの様な野菜ないかなぁ〜。

 串焼きと林檎水を、食べ終わり今度は、牛ひき肉のアンクルート(パイ包み)を1つ買い、デザートに妖精のお菓子と言われるフェカロンの3個セットを衝動買い。

 このお菓子は、妖精の花と言うお花が材料の一つで、花の色によって生地の色が変わり、色とりどりのフェカロンが出来上がると、お店の人が教えてくれた。


 わぁ〜、マカロンだ。地球のマカロンと違う所はその形、マカロンは[ 丸い ]形で、フェカロンは[ 九芒星(エニアグラム) ]の形をしている。

 この九芒星は、創世竜と竜王の方々をモチーフに、しているんだって!九芒星は、お菓子だけじゃなくて至る所で、色んなモチーフにされているみたい。この世界で、竜はとても崇拝されている存在で、とても有り難がれる。


 アンクルートは40リラで、フェカロンは50リラ 先程から、食べ物しか買ってない…… でもでも、屋台を見てたらつい美味しそうだから…… あ〜でも、中央広場から西の大通りに出てる屋台は、リボンや髪飾りなど様々な小物類を、売っているみたいだから(養護院の孤児情報)少し見てみようかなぁ〜


 西の大通りに着いたけど、教えて貰ったとおりに、オシャレな雑貨や髪飾りなどを、売ってる屋台が多い。良さげなのがないかなぁ〜 ウインドショッピング気分で、幾つかの屋台を見て回り、白地にブルーベルの刺繍がされた、ハンカチとマリンブルー色の生地に銀色の糸で、月星花の刺繍がされたハンカチを購入2枚で、200リラ。

 ふと一つの屋台が、目に留まり近づく―― 目に留まったのは、蒼銀色の糸で編まれ翠玉(エメラルド)藍玉(アクアマリン)の石が編み込まれた組紐―― 繊細に編まれていて、とても綺麗……


「 お嬢ちゃん、その組紐が気に入ったのかい?」


「 えっと…… 」


 店主に声を掛けられて、チラッと値札を確認すると ッッ!! 2,300リラ 大銅貨2枚と銅貨3枚。

 今の所持金 3,410リラ 大銅貨3枚に銅貨4枚、青銅貨1枚。 うーん、お高い。でも、これ加工に失敗した宝石の欠片を、使用してるからこのお値段なんだよね。ちゃんとした宝石なら、もっと高くて買う事なんて出来ないし………来年同じような品があると限らない………ええいままよ!!買っちゃえー


「 お買い上げありがとうね〜良い祝日を〜 」


「 ありがとう、店主さんも良い祝日を〜 」


 あはは、結局買ってしまった。だって素敵な組紐なんだもん! そういえば祭りの時は、財布の紐が緩むって、お父さんやお母さんが言ってたなぁ。

 これからは、衝動買いに気をつけよう――


 この組紐何処に付けようかな?やっぱり、髪を括る時に髪飾りとして使おうかなぁ。


 一頻り買い物を楽しんで、中央広場で大道芸見たり、吟遊詩人の詩を聞いたりダンスなどをして楽しんだ。ダンスは、皆んなで円になり簡単なステップやターン、手拍子だったから周りの人達の真似をしながら、覚えて踊った。地球では、盆踊りぐらいしか踊らなかったから、簡単なので良かった。


 夕方になり、帰る事にした。はぁ〜楽しかった〜

養護院に戻り院長さんに、[ 浮遊帝国 ]に行く為の特別な資格について、もっと詳しく教えて貰えるか聞いてみた。


「 良いですよ。この世界の人なら誰でも知っている事なので問題ありませんよ。[ 浮遊帝国 ]には、竜が居る事は前に教えましたよね。あの国は、正確には竜達の国なのです。創世竜について、図書館に有る蔵書で、この世界の成り立ちから学びましたね。今の創世竜について詳しくお教えしましょう―― 」


 院長さんのお話を纏めると――

 星の竜は星を司り、“星霜竜(せいそうりゅう)“と呼ばれ今は、遥か昔から眠りについていると言われている。


 陽の竜は太陽を司り、“黎明竜(れいめいりゅう)“と呼ばれています。


 月の竜は月を司り、“宵月竜(よいげつりゅう)“と呼ばれています。


 黎明竜と宵月竜は共に[ 禁足地 ]で、とある封印を守護しておりこの御三体方は今は、表舞台に姿を現しておらず、最後の天の竜は天空を司り、“蒼天竜(そうてんりゅう)“と呼ばれています。

 唯一蒼天竜だけは、表舞台に出ており今世界に存在する全ての竜を統べる[ 竜帝 ]であり、浮遊帝国“ ヒンメルス・メーア帝国“を統治する[ 皇帝陛下 ]である。


 わたしを最初に保護してくれたお兄さんが、もう一人のお兄さんに[ 陛下 ]呼ばれていたが、何を隠そう――あのお兄さんが[ 竜帝陛下 ]だったようです!!

 何であの森に居たのかが、謎だけど……??

 この世界には、創世竜の他に[ 竜王 ]が、五体存在するが[ 陛下 ]と呼ばれるのは、竜帝陛下だけで、竜王達は、[ 閣下 ]と呼ばれる。竜王達は、[ 王 ]と呼ばれるけど、分かり易く地球で例えると、“閣僚“や“貴族“にあたり、竜帝陛下の補佐などをしているみたい。

  あの時のもう一人のお兄さんが、荒ぶる嵐を司る“嵐竜王(らんりゅうおう)“スフェノス・グリューナ・アパティーツ ヒンメルス・メーア帝国の“宰相閣下“で、あの時は、竜帝陛下を探しに来て居たようです。


 その他の竜王は、

 灼熱の焔を司る“灼竜王(しゃくりゅうおう)“アマティスタ・プールプラ・トゥルマリナ、


 絶対零度の氷雪を司る“凍竜王(とうりゅうおう)“タンザニート・エステラール・ザフィーア、


 常磐の樹岩を司る“磐竜王(ばんりゅうおう)“ヘリオス・ブルートシュテルン・ジンクブレンド、


 海鳴り響く海を司る“海竜王(かいりゅうおう)“ペルレ・イーリスインマリ・ウパラの四体――


 創世竜と竜王は、“星霜竜“以外は何代か代替わりしている。


「 創世竜と竜王については、このぐらいかしらね。次にマリン貴女が、知りたかった資格について教えるわね。」


「 はいっ! よろしくお願いします。」


 いよいよだ〜 資格ってどんなのだろう??


「 この世界には、いろんなお仕事つまり職業があるわ。その中でも、特殊な職業が“天空の(ヒメルス)旅人(リーセネール)“と呼ばれる資格を持つ職業の人達よ。この“天空の旅人“は、ヒンメルス・メーア帝国所属になるわ。各国にギルド支部が在り、世界中で活躍しているの。」


「 その職業だと帝国の人になるの? 」


「 えぇ、見習い試験に合格すると三つ在る浮遊大陸の一つ月の大陸で、一生を共にする相棒の竜(パートナー)を決める儀式をし、竜に認めて貰えれば、晴れて天空の旅人としてギルドで、依頼を受注できるのよ。」


「 竜に認めてもらう?? 」


「 そうなの。天空の旅人は、唯一竜と絆を結ぶ事が出来る人達のことなのよ。そして何より、世界の調停者で在る竜帝陛下の部下にあたるの。竜帝陛下の御身は、一つだから天空の旅人が陛下の代わりに、世界中に行き問題の解決をするのが仕事。もちろん、簡単なご依頼もあるわ。」


「 天空の旅人は、世界的に中立の立場の人たちなのですね。」


「 そもそも、帝国自体が世界的に中立の国になるわ。」


 その後も、院長さんに詳しく教えて貰った。


 分かり易く纏めると、竜帝陛下はこの世界の調停者であり、竜帝陛下が治める帝国は中立国家。

・竜王達やその他の竜達も中立の立場。

・帝国は、竜帝陛下がトップでその下に竜王閣下と続き竜、龍人から成る国家。

・天空の旅人は、最上級の天空、上級の白雲、中級の旋風、下級のそよ風そして、初級の見習いと五つの等級がある。

・最上級の天空は、竜帝陛下の直属になる。

・各ギルドのギルドマスターは、最上級の天空が務める。

・上級から初級は、それぞれ帝国と各国のギルド支部に配置される。

・見習い試験に合格すると帝国領になる月の大陸で、相棒竜を決める為の“竜縁の儀“と呼ばれる儀式を行い竜に認めて貰えれば、天空の旅人になれる。

・“竜縁の儀“は、一年以内なら何回か行える。(理由:一回で相棒竜が、決まる事が少ないからーー)


・ヒンメルス・メーア帝国は、空中皇城“蒼き魂(ブラウ・ゼーレ)“が、聳え立つ星の大陸、帝都“陽光(ゾネンシャイン)“が在る太陽の大陸、左翼城砦市街“新月(ノイモント)“と右翼城砦市街“三日月(モントジッヒェル)そして、中央城塞“満月(フォルモント)“の三つの都市が在る月の大陸、この三つの浮遊大陸から成る国である。


・“竜縁の儀“は、中央城塞“フォルモント“で執り行われる。


以上が院長さんから、教えて貰った事になります。


 地球では、伝説上の生き物だった竜がいる世界だもの自分だけの相棒竜とお仕事したいなぁ〜 天空の旅人は、地球で言えば竜騎士の様な職業みたいだし、何より竜に乗って空を飛んでみたい!!

 それに、天空の旅人になればお兄さん達に、少しでも恩返しが出来るよね。


 見習い試験を受けられるのは十五歳から、今から八年後それまでに、世界情勢や剣などの武器の扱い、何より魔法の勉強と鍛錬を頑張らなくちゃいけない。

 院長さんは、元天空の旅人だったから見習い試験に必要な知識や武器の扱い、魔法の鍛錬などを見てくれるって!! やったね。


 今から、八年後が楽しみ〜 未来のわたしは、無事試験に合格するかなぁ??




 

 


諸事情により更新が遅れて申し訳ありませんでした。

幼少期編は、この話で終わり次からは、少女編(十五歳)になります。

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