第1章 EP 1
「エリオット...起きなさい!」
「あっ..はい!」
反射的に返事をしてしまったがエリオットって誰だ?てかここはどこだ?いつも見慣れたコンクリートの壁が見当たらず、目の前にいるのは見知らぬ美人。悪い夢でも見てんのかなぁ
イマイチ状況が掴めず咄嗟に―
「あんた...誰だ?」
「馬鹿なこと言ってないで早く下おいでよ!ご飯出来てるからね!」
そういって立ち去る見知らぬ美人。
数秒間ポカ〜ンとベットに座っていたが、イラだった声が聞こえてくる
「エリオット!!」
「今行くよ」
そう言って慌てて下に降りる
朝食後自分なりに今の状況を整理してみてみたが全然分からん!分かるのは、今自分は 3歳で名前はエリオット あの見知らぬ美人は母さんで名前はシャルで母子家庭らしい あと俺は何らかの理由で異世界転生してしまったとだけ。
はぁなんでこんな事になったんだろう
まぁぐちぐち言っても何も変わらないからこの世界の事を調べた方がよさそうだな。
そう心に決め、家の中にある書物を読む。
ふむふむ大体分かってきたぞ。この世界は、魔法や剣が主流らしい。化学的なことは何も書いていなかった。てか何故か話す言葉も分かるし書いてる事も読める。よくある異世界転生の特典的なやつだろうか。
剣と魔法か...え、なにこれめっちゃワクワクが止まらないんだけど。
まぁ取り敢えず魔法が使えるか試してみないとな、と近くの魔法書を取り出す。ほう、この世界には魔法の属性というものがあるらしい。火 水 風 土 雷 光 闇 この7種類だ。特殊的なパターンで精霊使いというものもいるらしい。魔法にも強さがあって初級、中級、上級、超級などがあるらしい。一般的では中級をどの属性でもいいから一つ使えれば上出来だが、上級をどの属性でもいいから一つ使うことが出来たら魔帝級で超級を使えれば英雄級とのこと。
ただ 光や闇の上級魔法はまだ使い手が歴史上でそれぞれ一人しか見つかっていない。その使い手というのが 光は勇者 闇は魔王である。光 闇の魔法は例外で上級が他の属性の英雄級だと認められている。
魔法にはそれぞれ適正があり適正が無い魔法は絶対に使えないのかぁ。てかどうやって適正を調べれば良いのか。まぁ片っ端に試すしかないよなぁ。といっても家の中で試すわけにも行かないし、庭で試すしか無いね。
「母さん!少し庭に行ってくるね!」
「分かったわ」
と慈愛に満ちた表情で言ってくる。いちいちドキッとするからそんな表情で言うのはやめて欲しいと内心呟きながらも庭に向かう。
まずは火の適正から調べていくか。火の初級魔法は...これでいっか。
両手を上に伸ばし、書物に書いてある呪文を詠唱する
「我が魂のように燃え上がれファイアーボール!」
エリオットの両手の上に直径20cm程の火の玉が出来あがる。両手を振り下ろすと真っ直ぐ進み小さい木に当たる。
「よしよし火の適正はあるみたいだな。だけど..こんな恥ずかしい呪文を言うのは勘弁だな。無詠唱でも使えるようする必要があるな」
結局エリオットは雷 光以外の適正があることが判明した。この後無詠唱で出来るか実験もしてみたかったが魔力切れなのか体がダルいので今日はもう終えることにした。
翌日エリオットは朝起きて、母さんが仕事に向かうのを待ち庭に行った。
まだ 3歳のエリオットが魔法を使えることがバレたら気味悪がられる可能性があるので母さんの前では魔法をあまり使いたく無いと思う。
今日は無詠唱で魔法を使うことが出来るかの実験だ。
昨日魔法に関する書物を見てみたがどうやらこの世界では呪文を使って魔法を放つのが一般常識らしい。無詠唱による魔法の行使についての記述はどこにもなかった。
まずは呪文を短縮できるかやってみる。昨日使ったファイアーボールの呪文を短縮してみる。両手を上に伸ばし
「我が魂のように...ファイアーボール!」
何も起こらなかった。次に短縮した部分を心の中でイメージしながらやってみる。
すると今度はファイアーボールができ昨日と同じ威力で木にぶつかった。
「呪文をただ短縮したものを詠唱するのと心の中でつぶやきながらやる違いはなんなんだろうか。」
エリオットは考える。そして一つの仮説を立てた。
「呪文は単なるイメージを明確にするものであって心の中でしっかりイメージできてれば魔法が使えるのでは無いかと。」
次は無詠唱でやってみる。
心の中で呪文を呟きイメージを明確にする。すると両手にファイアーボールが徐々に出来ていった。
発動する時間も呪文より遅く威力は弱いがそれは初めてやったのでイメージが明確にまだ出来ていないだけなのだから、これからの練習次第では同じ威力でより呪文を詠唱するより早く打てることができると思う。
同じ実験を他の属性でも行ったが無詠唱での魔法の行使はなんとかすることができた。
実験を終えた後、体が昨日ほどダルくなく、まだ魔法を使えそうな気がした。
魔力量は魔法を使うごとに増やすことが出来るってことなのかな?
まぁどっちにしろ毎日魔法の練習はした方がいいな。疲れたから今日はもう休むけど。
「よし、母さん仕事に行ったね」
今日も魔法の練習するぞー!
無詠唱での魔法の行使をする練習をし続け、日に日に発動時間が短くなり、呪文をわざわざ詠唱するよりも早く打てるようになっていた。
それと魔力量が増えたからか分からないが、放つ魔法の威力が段々上がってる気がする。
一番最初に魔法を使ったときには小さな木にすこし傷がつくぐらいだったが、今では小さな木なら倒すことが出来る。
後、無詠唱の方が呪文を詠唱するより威力が強いんだがそれに関しは謎のままだ。
まぁ何がともあれやっと成果がでてきて充実してきた。
胸が満足感や幸福感で満たされていくのを感じる。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
初めて小説を書いてみたのでコメントで感想や意見を書いてくれるとありがたいです。