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鉛の味

体が重い

まるで鉛のようだ


息が上がる

くたびれた肉体を無理矢理動かすために呼吸が激しくなる


足元もおぼつかず、握力ももうない

それでも前のめりになった体を支えるが如く右足が左足が一歩づつこの黒い地面を弱々しく蹴りながら前進する

腕は動かせば不愉快な筋肉痛のような痛みが駆け巡るが、それでも右手には確かにと剣を握っている感覚はある

腕はだらりと下がり切先が地面をガリガリと引っ掻く

それが周りの壁に反射して音を立てるがもう気にならないし剣を気遣う気も最初からない

口の中はカラカラだ

ひたすらに酸素を欲する肺のために激しく呼吸した口の中は不快な味が充満する

乾いた口の中から僅かな水を集めてべっと吐き出す

吐き出した水の色は暗くて見えないが代わりに自分の着衣が視界に入る

それなりに気に入っていたセーラー服はボロボロに破れ血も滲んでいる

ここまでの苦労が一目でわかるような出立だ


しかし、今はもう服も体にも大して興味が湧かない

それ以上に眼前に飛び込んでくる光を一心でひたすすむ


このくらいトンネルもいつかは越えるだろう

白い光のさす方へただひたすらに歩み続けながら少女は考える


どうしてこうなった


陳腐だがそれしか頭に浮かんでこない

視界もボヤけて重い睡魔にうなされながら彼女はあの日のことを思い出すのであった。

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