【2-2】私はっ、デートに行きたいのっ!(2)
「いいですか、団長!! 扉、開けますからね!!」
ハルがそう言った途端、鍵の掛けたドアが乱暴にこじ開けられた。あいつ、見た目の割には筋力ゴリラなんだからっ……!
「何でワンピースなんか着てるんですかーー!! 団長ーー!!」
「うっさい!! デートに行くんだから、おしゃれするのは当たり前でしょ!!」
無理やり窓ガラスを突き破って、外に飛び出す!! ガラスの破片が突き刺さって痛いけど、ヘルガと会うためなら、これぐらい、何てことないわよっ!!
「ワイバーン!!」
下からの攻撃に注意しながら、空中でワイバーンを召喚する。彼はすぐに現れて、私を背中に乗せてくれた。
「逃がすな!! 打てーっ!!」
――地面から、光の矢が飛んでくる。さすが騎士団、と言ったところだけど……!
「甘いっ!! ワイバーン、向かい撃てっ!!」
ワイバーンが放つ暗黒魔法には、誰も敵うはずがないわ! 私はデートに行くんだから、潔く散りなさい!
「何やってるんですかーー!! だんちょーーう!!」
「恋する乙女を止めようなんて、無駄なことだって分からないの!?」
部屋の中で茫然としている団員を置いて、さっさと待ち合わせ場所に向かう。ちょっともたもたしちゃった。ヘルガのために、早く行かなくっちゃ!