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morning moon/evening sun  作者: 希望の魚雷
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K-4『始動…する予定』

食後……から1時間後


少年とレミナ、そして食堂の外に落ちてたボロボロの何か…基、パパが事務所……ではなく医務室に来ていた。


「…父様平気…?」


「レミナがパパをギュッってしてくれたら大丈b「嫌」


パパは倒れた。


少年がため息をつき、これからどうしようか考えていると、服の裾が引っ張られた。そこには無表情ながらモジモジしているレミナがいた。


「どうしたのレミナ?」


「兄様…あの……ギュッって…していい?」








少年はパパが起きるまで抱き着かれていた。






---------------------









「今回の仕事だが…ついに『隊』として動く事になった」


真面目な顔で話すパパ。

包帯ぐるぐる巻きでミイラみたいだが迫力が出ている。


「初陣ですね」


少年も真面目な雰囲気だ。

一度離れたレミナがまた抱き着いてきてそのままなのだが…


「……場所を変えよう。レミナ、悪いがママの所で待っていなさい」


「……父様嫌い…兄様、後で…」


「わかったよレミナ」


少年が笑顔で答えるとレミナは部屋を出た。













「父さん、泣いても良いよ」


「済まない…うぅ……」








-----------------






30分後。



「詳細はこの『サイビアだっかんだいさくせん(はぁと)』を見てくれ」


「……この作戦名、誰が考えたんです?」


「クロスフロントの総司令官だが」


少年はこの国の未来に不安を覚えた



サイビアがどこにあるかといえば、ついさっき行ってきたあそこだ。オアシスを中心に補給基地としての機能を完備しており、いわば砂漠への玄関口である。ここを取り返さない限り軍の西進は不可能に近い


「編成については私兵の中から選抜する、好みで組んでくれ」


「わかりました」


「ただ基本的に黒光の方から選んで欲しい、知っている通り白影は特殊部隊の集まりなんでな」


オルネイズの私設軍は大きく2つに大別される。一つは黒光と名付けられた部隊で、屋敷の防備や通常戦闘など、軍としてわかりやすい内容の任務を担当する。そのため規模は全体の80%を占めており、対空戦闘専門の空軍が付属、総体として防衛に長けた部隊だ。つまりもう一つの白影は攻撃を担当する訳だが、それが真っ当な方法ではない


大体、CIAとSOCOMを足して2で割った感じ



「後は頼むぞ、サンセットグロウ第4小隊隊長ルカ・オルネイズ」





-------------





次の日



「皆さんおはようございます」


少年ことルカ・オルネイズはオルネイズ家私兵隊の訓練所に来ていた。


ルカの声に気付いた兵士達は訓練を止め、ルカに頭を下げる。


「「「おはようございます若頭!」」」



もちろんパパの呼び方は『お頭』だ。


「ちょっとお邪魔しますね」


ルカはこの呼ばれかたにもう慣れていた。



兵士達の中から一人、硬派な雰囲気を醸し出している男が出てきた。


「お久しぶりです若。話は頭から聞いていやす。ゆっくり見ていってくだせぇ」


私兵隊がこんななのはこの漢の影響だ。


「えーと…」


ルカは資料を片手に訓練所を見渡し始めた。






「ん~」


訓練を見たり話をしたりしたが、中々メンバーに入れようと思える人は見つからない。



「…ん?あの人はたしか…」


目に止まった男は昨日の戦場跡でルカが救った兵士達の内、ルカを最初に信じて最初に屋敷に向かった兵士だ。

目をじっと見られたルカはしっかりと覚えていた。


「すみません……」


ルカが男に話しかけると男は陽気に答えた。


「おぅ?戦場の坊主じゃねぇか。助けてくれてありがとよ」


雇い主相手にこのフランクさはどうかと思うが…。まぁ、ルカは気にしていない、逆にルカはこの男に興味を持ったのだった。

男はパパ程ではないが背が高く、ごつい筋肉質な体格だ。短髪で髭は無い。


「あの…お名前は」


「ああ、名乗ってなかったな。俺はゼオン。ゼオン・ラフベルグだ。よろしくな若頭さんよ」


ゼオンの笑顔はごつい見た目に反して爽やかだった。




ルカはゼオンとしばらく話すうちに、彼から他の兵とは違う何かを感じていた。




「若さんよぉ、も少しマシなトレーニング器具は無いのか?軽すぎてトレーニングにならねぇんだ」


「へ?…は、はぁ…」


言っておくがここの器具はスポーツジムのそれより3倍は重いのだが…。色も赤いし…。


「赤ではだめだ。白い悪魔ぐらいでないとな…プッ、ハハハハ!」


5倍ですか…。


「わかりました…よし!」


ルカはゼオンを隊に入れることを決めた。


「---というこt「フハハハハ!良いだろう。外ならぬ命の恩人の頼みだ。断る理由も無いしな」


ルカがゼオンに事の次第を伝えるとゼオンは笑って応えた。


「で…他の隊員は決まっているのか?」


「いや、未だです。中々いい人が見付からなくt「なら俺から一人推薦させてくれ。心辺りがあるんだ」




ゼオンは人の話を最後まで聞かない人みたいだ…。


「ホントですか!?ありがとうございます」



普通の人ならイラッとするであろう。しかしルカは気にもしていないようだった。




----------




「よろしくお願いしますテラムさん」


「いえいえこちらこそ。選んでいただけて光栄です」

ゼオンが推薦してきたのは宿舎で彼のルームメイトの一人だった。(宿舎は基本3~5人で1部屋)


彼の名はテラム・シュナルツァー。

ルカより一回りぐらい大きいが、それでも小柄な男だ。


小さくて、見た目は軍人に見えないのだが、彼はあることに秀でていた。

それは




射撃。




しばらく団欒していると部屋に仕事用の厳しい顔をしたパパがやってきた。

くつろいでいたメンバーもここのトップの登場でしっかりと整列した。

パパは2人の顔を見て回り


「……うむ、良い目をしているな。気に入った!」


仕事場では決して見せることの無い満面の笑顔で言った。


「活躍を期待している。頑張ってこい!」


「「「「はい!!」」」」








数日後、ルカ達は初任務をむかえる。

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