入学
(今日は人生2度目の学校への入学式だ。)
そう思いながら、アルトは貴族専用の制服に袖を通す。
学校は王国立の学校であり、名前はディルハイムと言うらしい。
(ってか、なんで7歳児に試験なんて受けさせんだよ…)
アルトは2日前の試験を思い出す。
(まぁ試験内容は小学生の読み書きとか、簡単な計算で良かったけどな)
この世界に来てから前世の知識を振り返っていなかったアルトは試験の日の前日に内容を母レーナから聞き、ものすごく焦ったのである。
(結果は合格ってわかったけど…具体的な点数とか順位は学校で発表って…おかしくね?)
普通なら入学前に発表されるのだが、ここはそういう仕組みらしい。
「よし、頑張って普通の学生生活が送れるようにしますか!」
アルトは制服がきちんと着れている事を確認すると、家から出て行った。
そして、学校前…
「よお!アルト、時間ぴったりだな!」
門の前でフェルトが手を振って声をかけてきた。
「ああ、俺は時間はきっちり守る人だからな」
「んじゃ中入ろうぜ、試験の順位とクラスが気になるからな!」
そう言い二人は中へ入っていった。
中に入るとそこはまるで王家のお城のような場所だった。学校の構造としては、真ん中に広場のようなものがあり、そこにはベンチがあったり噴水があったりして中庭である事が分かる。
中庭からは色々な場所に通じているようで、右を向けば教室に繋がっている道がある。左は的があったり、木偶人形があったりと訓練場のようだ。正面は職員室のようなものが2階にある。
これを見たアルトは
「はぇー…すっごい大きい…」
と、その大きさに驚愕していた。
「アルトー!こっちだぜ!こっちに順位が書いてあるんだ!」
意識を完全に学校に向けていたアルトは、その声にはっ!っとなり
「ごめんごめん、今行く」
と言い、走っていくとそこには大きなボードがあり、順位が書いてあったので探してみると
「……あれ?俺どこ?」
何処を見てもアルトの順位がないのである。
「ほんとだ、アルト…アルト…あった!あそこ!」
と、フェルトが指す方向を見ると
「うせやろ?」
そこには首席アルト=エルノートと書いてあった。
「あ〜あ、やりすぎたかぁ…」
首席になる=目立つなのでここは避けたかったアルト、しかしなってしまったのは仕方がないので諦めるのであった。
「やったな!アルト!お前すげぇぞ!」
フェルトがアルトをべた褒めする…と
「あなたがアルト=エルノート?」
突然後ろから呼ばれ
「ん?」
と、振り替えるとそこには青目で黒髪、身長はアルトと同じくらいの女の子がいた。服は貴族の服を着ており、お胸様はそこそこあって、成長に期待といった感じであった。
「はい、私がアルト=エルノートですが?」
と答えると
「私と勝負しなさい」
と言われ、アルトは
「もうほんとに最高だよ…ハハッ」
と死んだ目で笑うのであった。
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