迷子のアルトくん
〜〜アルト〜〜
「…迷った」
アルトは何も考えずに獣人を見ることだけをやってきたので道なりなど一切考えず走った。その結果がこうである。
(うーむ…ぱっと見た感じここは荒くれものが集まるような場所だな)
実際アルトのいる場所は無所属の地区であり、簡単に言ってしまえば無法地帯である。その通り、普通に賊がいたり物乞いなどがたくさんいるような場所である。
「地図も何もねぇから帰れねぇし…ルーゼも…無理だなぁ」
悩んだ末にアルトは最終手段に手を出した。
「ちょいちょい、そこのキッズよ」
そう、それは『人に聞く』である。
「ふぇ?!なっなんですか?!僕は何も持ってないですよ!」
アルトに突然声をかけられた銀髪犬耳の少年は物取りと勘違いしたらしく、テンパっている。
「大丈夫だ、そんなことはしないから安心しろ…って言っても証明できるものがないからそこは信頼してもらいたい」
アルトは少年を落ち着かせるために
「ほれ、その格好じゃろくなもの食べてないんだろう?これやるよ」
と言って、一切れのパンを差し出した。
少年は一瞬戸惑ったものの、空腹には勝てなかったようでパンをひったくる勢いでとると、無我夢中でかぶりついた。
しばらくたち少年はパンを食べ終わると
「ありがとうございました…ごめんなさい疑ってしまって、最近ここの治安がさらに悪くなって物取りや賊が多発しているんです」
少年はきちんとお礼をして、奥の通路を指差し
「ここを真っ直ぐ行った後、三個目の曲がり角を曲がればこの地区を抜けられます」
「ありがとうよ、気をつけろよ」
そう言ってアルトは少年の言われた通りに道なりに進んでいった。するとそこは…
「ここはどう見ても貴族さんたちが住んでそうな場所なのですが…」
普通は入れない貴族街だった。
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