後始末とこれからの方針
戦いを終わらせたアルト達はとりあえず休憩を少し取ることにした。その時、フェルトが
「そういや、これ…どうすんだ?」
と、ハロルドの死骸を指差していった。
「うーん…消滅するわけでもあるめぇしなぁ…どうしよう」
あまりにもデカすぎるため引きずってもいけないし、めんどくさいからと言って焼却するわけにもいかないのだ。
すると、シュウウウウウと音を立ててハロルドの体が人間の体まで戻っていったのだ。それにびっくりしてルーゼが剣で突いてみても反応はなかったようなので生きてはいないことが確認できた。
「手間が省けて助かったな、とりあえず依頼人の所に行って来るからみんな帰っていいぞ」
フェルトにバレるとめんどくさいのでとっとと解散させようと強引にハロルドの遺体を担ぎ、ジークのところまでさっさと行こうとした時
「ちょっと待ちなさい!この子はどうするのよ!」
そう言ってルーゼが指差した先には先ほど一緒に戦ってくれた猫耳少女がいた。
アルトが「どうしようか…」と考えていると
「ん、私のことは気にしなくてもいい…とりあえず、そこのあなた」
と言って、猫耳少女はアルトを指差した。
「おぅ…俺がどうした?」
「あなたの名前を教えてほしいの、フルネームで」
アルトは猫耳少女の言葉に少し疑問を持ったが、気にすることは特にせずに
「俺の名前はアルト…フルネームはアルト・エルノートだ」
猫耳少女はアルトの名前を聞くとブツブツと周りに聞こえない程度の独り言を放ち、「ありがとう」と言って暗い森の中に消えていった。
それを見送ったアルトはフェルトは無理矢理家に帰して、ルーゼはどう足掻いても離れてくれなかったため仕方なくついてきてもらうことにした。
〜〜〜ジークの家(城)〜〜〜
夜遅くではあったが門番にフェルトの用件で来た、というと直ぐ様ジークの部屋に案内され、ハロルドの死体はお城のメイドたちが回収していった。出されたお茶を飲みながら待っていると
「僕の予想よりもだいぶ早かったねぇ…そんなにアレが欲しかったのかい?」
ジークが外向きの服を着ながらやってくる。
「それもあるが、シンプルにあいつが敵意剥き出しでやってきたから返り討ちにしただけだよ…それはそうとして、お前そんなに雑でいいのかよ?」
「もはや君とは友達のようなものだろう?」
ジークが肩をすくめながら答える。実際、アルトとしても悪くはないと思ってるようだ。
「んでだ、いきなり奴がいなくなったら住民は困るんじゃないか?どうするんだ?」
ここが1番アルトの気になっていた部分であるため、真っ先に聞いた。その質問に対しジークは
「あぁ、そのことに関しては暗殺者にやられたってことになってるから気にしなくていいよ〜」
と、ものすごく呑気な感じで答えた。
するとルーゼが
「それ…ハロルドは良いとして、あの双子だったり使用人とかはどうするの?」
と、ジークに詰め寄る。
その質問にもジークは
「それは王家で他の仕事を斡旋したって設定にしておくよ」
涼しい顔で答えた。
その後、アルトは他に聞くことがないか…と考え、思いついた一つの質問をぶつけた。
「なぁ、ハロルドはあの研究をしてどうしたかったんだ?俺の直感がこれだけで終わらないと言ってるんだが」
ジークは顎に手を当て、「うーん」と唸りながら考える…そして、2分ほど経った後
「…どこで聞いたとかは言えないのだが、近々魔族が魔王復活を企てていると聞いたことがある…もしかしたら、それのための布石かもしれないね」
「だったら、それを止めなきゃならないんだろ?一体誰がするんだよ?」
アルトが頬杖をつきながら聞く。するとジークは「ふふっ」と笑い、こう答えた。
「それはもう…君とそこのお嬢さんしかいないでしょう?」
「…予想はしていたが理由を聞かせてほしい」
「うん、もちろん話すとも」
ジークが人差し指を立て、説明し出した。
「理由は単純で君たちがある程度の実力を兼ね揃えつつ、これからもぐんぐん成長していってくれるような気がしたから…かな?」
その答えにルーゼが
「でもそれは“気がした“なんでしょ?そんな不確定要素を簡単に信じてもいいの?一国の王が」
と質問する。これまたジークは
「大丈夫、昔から僕の勘は当たりやすいんだ」
にこやかな笑顔で答える。
すると、少しの間沈黙が流れてからアルトが口を開き、
「わかった…お前の勘を信じよう、で俺たちは何をすればいいんだ?」
すると、メイドさんが大きな地図を持ってきてジークがとある場所を指差して、こう言った。
「君たちの次の目的は『獣人国家クラウディア』だよ」
お読みいただきありがとうございました!




