偽りの実力者 その3
今、アルトの目の前にはアルトの5倍はありそうなほど大きい怪物がいる。その正体はハロルドなのだが今やハロルドの面影すらない状態だ。その怪物はアルトを指差し、
「オマエノカラダハカイゾウノシガイガアリソウダ、シシヲセツダンシテオレゴノミ二カイゾウシテヤロウ!」
と言って爪を振るってきた。
その攻撃を避け、アルトも反撃に出ようとするがここで弓矢が切れていることに気づく。すぐさま弓を仕舞い、腰に携えていた鉄の剣を取り出し、怪物との打ち合いを始めた。本来なら筋力差で打ち負けるのだがスキル『剛力』により、ギリギリ打ち合えているのだ。
猫耳少女もアルトを助けようと怪物の死角を狙って攻撃を加えている。少しずつではあるがダメージは与えている様子だ。順調な様子だったが…
「エエイコザカシイワ!」
腕を乱暴に振り回して無差別に攻撃を始めた。その攻撃に猫耳少女は当たって吹き飛ばされ大ダメージを喰らってしまった。
「おい!」
猫耳少女に意識を向けた瞬間
「ヨソミシテイルヒマガアルノカァ?」
その隙を狙われてアルトは攻撃を喰らってしまった。しかもほぼノーガードであったためもらったダメージは致命的だ。
「っつう…」
だが喰らう直前に『剛力』で固めたため、ほんの少しばかりは軽減された。それでもダメージはダメージである為、なかなかにキツい。
お互いに大ダメージを喰らい、アルトがどうしようかと迷っていると
「ソノヨウスデハモウテイコウスルダケムダトイウモノ…アキラメタラドウダ?イマナラコロシハセズヒンシデスマセテヤロウ」
そんなことを言ってきた。それに対しアルトは
「バーカ俺は降参するってのが1番嫌いな性格でね、悪いがあんたのおもちゃになるのは願い下げだね」
と返した。
「ソウカ、デハシネ!」
怪物の爪がアルトに振りかざされ、アルトは目を閉じて迫り来る死を待った…が、いつまで経っても攻撃が来ないので目を開けてみると、そこには
「おいテメェ…俺のダチを傷つけんじゃねぇよ!」
甲冑を着て、剣と盾を装備したフェルト=オーガストがアルトを守っていた。
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