吸血鬼同士の戦い その2
ルーゼが取り出したのは血液だった。だが、この血液にはとある秘密があった。…が、当然その秘密をルーゼが言うはずもなく一気飲みした。するとルーゼの髪色に赤みがかかり始めた。
「はぁはぁ…これ、体にかなり負荷がかかるから嫌いなのよね」
見た目は髪が変わっただけだが、魔力量や身体能力に大幅な違いが出ている。具体的には握力や跳躍力、果ては動体視力までも上昇している。
「「なぁるほどぉね…じゃあ短期決戦だね」」
双子はそれぞれ身体強化の魔法をかけ、戦闘体制を作った。
「終わらせる!」
ルーゼはお得意の正面突破を試みる。袈裟斬りにしようと切り掛かるが片方に防がれる。そして片方が責めるを繰り返し、拮抗が崩れたのは
「『フラッシュ』」
目眩しの呪文である『フラッシュ』を放った時だった。
「ああっ!」
片方は食らわなかったが、もう片方はしっかりと食らったみたいだ。その隙をも逃すはずもなく、ルーゼは一気に距離を詰めて心臓に剣を突き立てた。
「ガハッ!」
そして…膝から崩れ落ち、骸と化した。
「ふう…これで優位は崩れたわね、さてさて…こうなったら私の勝ちは確定みたいなものよ?」
今まで1対2で優位を保っていた双子はお互いの欠点をカバーしあっていたから圧倒できたのであって、単体だと先ほどの半分、いやそれ以下の実力しか出せないのだ。…だが
「くっ!確かにこのままだと君には勝てないね…だから、こっちも強化あさせてもらうよ」
彼が取り出したのは赤色と青色の飴だ。
「これは人間の血と魔族の血が混じっている飴だ。これを食べると…どうなるかわかるよな?」
「っ!やめなさい!死ぬわよ!」
と、止めようとしたが間に合わず彼は飴を飲み込んでしまった。その瞬間、彼の周りに風圧が生まれてルーゼは吹っ飛ばされた。
「間に合わなかったか…」
視線を彼に向けたルーゼ。そこにいたには
「コロス!ズタズタニヒキサイテヤル!」
もはや先程の面影もない、ただの化け物だった。
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