転生と名付け
(また真っ暗だ…いや?正確には目を閉じているのか?)
目を開けるとそこには銀髪で黒目の40代くらいの渋い男と黒色の髪を肩の高さで揃えた目の青い、綺麗な女の人がいた。
「おっ、目を開けたぞっ!この子には俺が見えてるのか?」
「どうでしょう?それはこの子にしか分からないと思うけど、見えてるんじゃない?」
(会話から察するにこの人達は親だな…美形同士がくっつくとこうなるのか…)
鳴海は首を動かし、周りを見てみる
(現状を整理しよう…俺は今この女の人の腕の中にいて…格好的に貴族…と、そして…あそこにいるのはメイドか?黒髪に黒目か………めっちゃ可愛いやん!)
ついついずっと見てしまう鳴海、それほどまでにタイプであったのだ。
「…あら?この子、ルイゼの事ずーっと見てるわよ?もしかして貴女が世話係ってわかったんじゃない?」
(…しまった!がっつり見てたのバレちった…)
すると、ルイゼと呼ばれたメイドはちょっと恥ずかしそうに目を逸らした…そして、誰にも聞こえないような声で
「……可愛い」
と言った。
(……可愛い)
鳴海も同じ事を考えていたようだ。
「よし!ではこの子に名前を付けてあげないとな……うーむ」
(男がずっと唸っている…名前かぁ、かっこいいのがいいなぁ)
「……だめだ、俺には出てこん…レーナよ…何か思いつかぬか?」
(ふむ、この女の人はレーナと言うのか…)
レーナはしばらく考え込み…
「……では、そうですね…"アルト"でどうでしょう?」
(おお!ありあり!全然OKだ!)
「うむ、ではこの子の名は"アルト=エルノート"だな!」
こうして、黒崎鳴海…改め、アルト=エルノートが生まれたのであった。
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