ついてく、ついてく…
ジークから依頼を受けた次の日、調査に向かおうと玄関を出た先でアルトはフリーズしていた。何故かというと
「……私に何か言うことないかしら?」
明らかに怒っているルーゼさんがいらっしゃったからだ。
「ナンノコトカサッパリデスネ」
「へぇ…じゃあなんで武器と鎧を装備しているのかしら?今日は休みのはずなのに…ねぇ?」
アルトは今日の為に冒険を休みにしたのだ。その時のルーゼは納得行かなそうな顔をしていたが、なんとかねじ伏せたはずだった。
(にしても、誰にも話してないのに何故わかったんだ?)
「なんでわかったんだ?って顔してるわね…ギルドに向かって走ってるのを見て、声をかけようと思ったのだけれどなんかフードの人と話してて怪しいと思い、着いて行ったら王城に入っていったのを確認したわ」
以外とがっつり見られていたアルト。
「王城で何をしていたのか知らないけど大方隠し事であるのは確定なんでしょ?」
「……はぁ、分かった分かった……ここじゃ大声で話せないから目的地に向かいながら話すよ」
~~~~~森にて~~~~~
「はぁ?!ここが目的地?」
「そうだけど…どうかした?」
ルーゼは青い顔でアルトに説明をする。
「ここは『暗黒の森』よ、大人の冒険者が4人くらいのパーティーで行かないとダメな場所よ?!」
この世界の常識に疎いアルトは
「いわゆるハードよりのノーマルか?…まぁなんとかなるだろ」
呑気に森へ入っていった。
「あっ!ちょっと!……うう、分かったわよ!ついて行くわよ!」
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