麻薬
「人体融合…ねぇ」
ルーゼから語られたのは誰も知らない情報ばかりだった。前世でこういうのは知ってはいたが、現実となると勝手が違う。
「ええ、あいつは色んな種族を合体させてとんでもないものを作ろうとしているの…私の場合は吸血鬼の肉と混ぜられたわ」
ルーゼが嫌な顔で言う。唇をギュッと噛み締め、腕をさすっている。
「あの感覚は忘れない…魔族の肉は人間にとっては毒なの、それと無理矢理混ぜられると拒否反応を体が起きる。激痛よ…何度気を失ったことか…もう2度とあんな事は」
(…重いな)
いきなり突きつけられた事実。だが、ここで疑問が出る。
「お前が一番にこだわる理由はなんだ?関係性がないのだが…」
アルトは出会った時からの疑問を今ぶつける。どうしても気になった。
「それは…あいつがこれをくれるからなの」
そう言ってルーゼはあめ玉のようなものを出した。
「……それは?」
「簡単に言えば麻薬のような物ね。これを舐めると一時的に強力な快楽を得られるの、それと…これの最悪な点はもっと欲しいって気持ちにならせて、正気を失わせることね」
ルーゼから聞いた効果は前世にあった麻薬と同じような効果だった。
「ひでぇな…」
暗い顔になる二人。アルトはしばらく考えてから
「とりあえず、この話は後で煮詰めるとして…クエストを終わらせるか」
ゴブリンの耳が入った袋を持ちながら言った。
ルーゼも
「……そうね、後で話しましょう」
と言い、立ち上がった。
…だが、一番の問題は
「ドラゴン…どうする?」
「……二人で引きずって…いけるかしら?」
二人で相談し合った結果、とりあえず街に帰ってからなんとかしようということになった。
(初クエストでドラゴン討伐って…)
アルトは腑に落ちないようだった。
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