初めてだからこそ
俺は困惑する店主を合理性(我儘)で説き伏せ、二つ弓をゲットした。その後は道具屋に行ってポーションや矢筒等々を購入し、検問所を抜けた。
検問所を抜けるとそこは、あたり一面緑一色の草原が広がっていた。遠く離れた場所には山があったり、川や森があったりしてザ・大自然という感じだ。
「おおー!これが大草原か!ひろーっ!」
アルトはゲームでよく見るだだっ広い草原に興奮していた。
「そんなにはしゃいで迷子になっても知らないわよ?ほら、とっととクエストを終わらせましょう」
ルーゼはアルトの首根っこを掴むと引きずるようにして森の方に連れて行った。
二人がしばらく森の中を歩いていると
「止まって」
と言ってルーゼは身をかがめる。その行動を見て、アルトも同じ行動をとった。
ルーゼはアルトに「見て」と言って指を指す。そこには
「フガッフガッ」
お目当てのゴブリンがいた。
見た目はよく知っている通り、緑色の肌でぼろぼろの布切れを身につけている。右手に持っているのはどうやら棍棒のようだ。
「私はこっち方面のゴブリンをやってくるから、あんたは向こうの方に行ってきて」
ルーゼは先程指を指した方向から右に90度の方面を指す。分担作業にした方が効率も良いからだ。
「ああ、わかった。一時間後に検問所に集合で」
と、アルトが言うとルーゼは「ん」と言って突っ走ってしまった。
「…まあ最初からゴリゴリにやらなくていいか」
アルトはそう一人言をいいながら森の奥へと進んでいった。
しばらく奥に行くとゴブリンが三匹いるのが見えた。
「ふぅ」
短く呼吸を整えると姿勢を低くしながら<ハヤブサ>を構える。そしてゆっくりと標準を合わせ
「はっ!」
矢を射った。
射った矢は見事にゴブリンの頭に命中した。文字通り、ヘッドショットだ。
ほかのゴブリンは突然味方がどこからか狙撃されたことに驚いてパニックになっている。
アルトは落ち着いて静かに移動し、また矢を射った。
「「グギュ!」」
その矢は二人同時に頭を貫通した。
「………よし」
アルトは周りに敵がいないことを確認すると、討伐証明の為にゴブリンの耳を剥ぎ取っていった。
…だが、その剥ぎ取る手は震えていた。その震えはアドレナリンによる「興奮」か命を奪った事による「罪悪感」か…その答えはアルトのみが知っている。
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