我儘に巻き込まれた者達
「冒険者?いきなりだなぁ、理由はなんだ?」
「そうよ、理由がないとその提案に対してYESとは言えないわよ」
二人はいきなりの提案に驚き、理由をアルトから聞こうとする。
「理由はすごく我儘なんだが…俺はレベル上げをしようと思ってるんだが一人では何かあったときに頼れる人がいないとか、効率が悪かったりとメリットがあまり無いんだ…他にも…」
アルトは理由を複数挙げていく、本当は冒険者はやりたくなかったが強くなる為に必要な事であるならばやるしか無いと割り切っている。今喋っている理由は合理性を考え、メリットだけを述べている。
「なるほどね…だけど冒険者なんてかなりキツいし、そもそも貴族様がやるような職業じゃないわよ?」
「俺達はまだ学生でレベルなんてあんまり気にしないぞ?」
二人はどうも反対派のようだ。アルトは二人を説得しようと理由を考えるが出てこない…どうしようかと悩んでいると
「よいではないか、冒険者など貴族では経験できぬ職業だぞ?」
「校長先生?!何故こんな所に?!」
ルーゼが驚く。振り返るとそこにはエキドナ校長がいた。
「たまたま来た所話し声が聞こえたのでな…さて、アルトよ、お前は冒険者になる理由はなんだ?」
エキドナが興味津々で聞く。
「本当は冒険者にはなりたくありません。でもならないとレベル上げがスムーズに進まないからです」
アルトは冒険者になりたくないとはっきりと言いつつ、理由を述べる。
「…理解したよ。では私がこの国のギルドに話をつけておこう。…そこの二人も含めて、ね」
エキドナは悪戯っ子の様な笑みを浮かべながら言う。
「なっ!?ちょっとエキドナ校長!勝手に話を進めないでください!」
ルーゼがエキドナ校長に対して言う。
「どっちみちアルト君が冒険者になる、と聞いた時点でならパーティーを組ませる予定だったのだ。私の中では既に決定事項だぞ?どうしても嫌ならば私を止めてみるがいい!」
と、言うとエキドナ校長は一瞬で消えてしまった。
「っ?!させませんわよ!校長先生!」
ルーゼも目に見えない程の速度で出て行ってしまった。
「…はぁ、ほんといきなりだなぁ…でも面白そうだからついて行ってやるよ、友達だからな」
フェルトは仕方なさそうに言った。実際フェルトは冒険者は嫌いではなかったのだ。
「ごめんなフェルト、そのかわりサクッとレベルを上げれる事を約束するよ」
「ったりめぇよ!つまらなかったらぶん殴るからな?」
「ハハッ!安心しろ、刺激的な日々を過ごさせてやるよ」
そう言って二人は笑いあった。
「さて、じゃあ冒険者になる為に準備を進めますか」
アルト達はギルドに向けて出発するのだった。
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